新型コロナウイルス感染症流行の効果は港区の財政にも認められる。例えば、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、令和元年度に保健衛生総務費内の「健康危機管理機能の強化」に新たに計上された新型コロナウイルス対策費は約五五〇万円であったが、同二年度では約四三〇〇万円と大幅に増えている。また、令和二年度には予防費内の「健康危機管理機能の強化」に、新型コロナウイルス感染症対策費として約二億三〇〇〇万円、新型コロナウイルスワクチン接種費として約五二〇〇万円が新たに計上されている(「港区の保健衛生」令和三年度版)。こうした傾向は令和三年度の衛生費当初予算にも反映され、感染症の予防費として約四六億四〇〇〇万円が計上されている(表12-補-4)。これは令和二年度と比較し、約一六億円増加となり、伸び率は50・42%である。
新型コロナウイルス感染症が流行したことにより港区では改めて従前からの取組である食中毒対策などや、地域保健法時代に強調されるようになる健康づくり等に加えて、健康危機管理への取組の重要性が認められたのである。 (小島和貴)
表12-補-4 令和3年度衛生費当初予算の前年度比較
「港区の保健衛生」令和3年度版から転載、一部改変