昭和二〇年(一九四五)から同三四年までの社会福祉の第Ⅰ期、中でも同二〇年から同二六年までの時期は、後の基礎構造改革の時代に改革の対象とされることになる戦後社会福祉の基礎構造(骨格となる制度的枠組)が形成された時期である。ただし、念のために付言しておけば、戦後社会福祉の基礎になる制度的枠組は、そのすべてが戦後の七年ほどの被占領期において形成されたというわけではない。ちなみに、戦後の社会福祉に重要な役割を果たした厚生省(現在の厚生労働省)が設置されたのは戦前の昭和一三年のことであり、これまた戦後の社会福祉において重要な意味を持つことになる「社会福祉法」の最初の形態である「社会事業法」が制定されたのも同じ昭和一三年のことである。
直接的に重要な意味を持っているのは、昭和二〇年から同三四年までの社会福祉第Ⅰ期の前半に、「福祉三法」が制定されたことである。