わが国の社会福祉における専門職化は戦前のアメリカのソーシャルワークの紹介に始まるといってよいが、その本格的な模索は戦後の被占領期のことである。GHQは、わが国の社会福祉システムの改革を推進する過程で、社会福祉にかかる専門職の制度や専門職を養成する教育制度の創設を求めた。しかし、わが国はその要求に対処するだけの条件を整えることができず、福祉事務所に社会福祉主事、児童相談所に児童福祉司をいずれも専門職公務員の任用資格として導入し、東京と大阪に社会事業専門学校を設置するに留まった。
それが高齢社会の進行とともに施設処遇の質を担保する必要が社会的課題として認識されるようになり、その方策として、介護にかかる専門職制度を国家資格として法制化するという動きが形成され、昭和六二年に「社会福祉士及び介護福祉士法」として結実することになった。法制定後、社会福祉専門職は社会福祉、中でも保健福祉サービスの質を支える重要な制度に発展している。