平成七年には阪神地方、淡路島に未曾有の大地震が勃発し、神戸市を中心に広域に渡って壊滅的な被害をもたらした。特に地震後に発生した大火災は多数の人命を奪い、住宅の焼失、ライフラインの途絶、交通ネットワークの断絶、地場産業の破壊等を生じさせた。被災地の人々は収入や預貯金の喪失はもとより、健康・傷病、教育、レクリエーション・趣味の機会、社会参加・交流の機会等を喪失し、生活の全体に及ぶ不安、困窮、困難、支障に直面させられることになった。
台風・大雨、地震、大火、大規模な飢饉等による生活の困窮や困難、支障は社会福祉の歴史において対象領域に位置付けられていたが、阪神・淡路大震災は社会福祉に災害への対応、被害者の生活再建が重要な課題であることをあらためて認識させるきっかけとなった。
そうした中で、震災からの復興の過程において、その重要性が指摘され、社会的な関心を集めたのが、町会や自治会の存在とその貢献であった。