社会福祉にとって阪神・淡路大震災がもたらしたもう一つの重要な契機は、災害からの復興の過程、人々の生活再建の過程において、ボランティア活動のもつ役割と効用が再認識され、その重要性が再確認されたことである。従来、日本においてボランティアはどちらかといえば個人的な善意や慈悲、愛他主義の所産とみられ、活動の場も障害者や高齢者の生活の場や個別の社会福祉施設という場に限定されるきらいがあった。しかし、阪神・淡路大震災において、震災の発生とともにボランティアが全国的な規模で参加する事態になり、活動にあたっても社会福祉協議会などのボランティア・コーディネーターのもとに組織的に行動するという形態が一般化し、その後のボランティア活動の顕著な発展につながった。
このような災害時におけるボランティア活動をきっかけの一つとして、いわゆるNPO(Non Profit Organizationの略で、非営利活動を行う組織を指す)についての法律である「特定非営利活動促進法」が平成一〇年に制定された。