(A)基本的な動向

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昭和五五年(一九八〇)に二〇万二八二人だった港区の人口は、平成八年(一九九六)の一四万九七一六人を経て、同一一年は一五万四三七〇人であった(各年一月一日現在)。高齢化率は昭和五五年の10・1%から平成一一年は17・5%へ上昇した。
平成二年、著しい人口減少、少子高齢化など社会環境の変化に対応するため、港区は第二次基本構想を策定した。同構想は「人間性の尊重」と「地方自治の確立」という第一次構想の理念を継承し、「やわらかな生活都心」「住みつづけられるまち」「ともに健やかにくらせるまち」「いきいきとしたふれあいのあるまち」を将来像に据えた。「福祉」は「健やかなくらし」を成すものとして、

すべてのひとが、かけがえのないひとりの人間として尊重され、健やかにくらせるまちをめざす。地域社会において、互いに連帯し助けあい、高齢者や障害をもつ人びとおよびその家族、あるいは、低所得者世帯、ひとり親家庭、外国人家庭などが、地域のなかで安心して自立した生活をおくることができるような支援体制づくりをすすめる。人生80年時代にふさわしい、新しい福祉文化の創造をめざして、総合的な社会福祉計画にもとづく、人生の各段階に対応した多様な施策を推進し、思いやりがあり、活力のある社会をめざす。とくに、高齢化の進む港区においては、高齢者の生活に対する社会的支援の施策の充実をめざす。
と謳っている。
港区は社会福祉領域の個別計画もこの時期に策定している。港区障害者総合計画(昭和五八年)、高齢者保健福祉計画(平成一〇年)、港区エンゼルプラン(同一一年)である。港社協も地域福祉活動計画を策定した(平成八年)。社会福祉の改革期にいち早く計画の時代の到来を捉え、積極的に臨んだといえる。また、この改革期には各領域の様々な施策に地域福祉の考え方が採られており、区の先取性がうかがえる。