(B)生活援護

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昭和二〇年代に開始した区営公益質屋と区立授産所を、社会状況の変化と関連法による事業廃止を理由として港区でも廃止することとなった。
平成一五年、港社協は都社協から受託している生活福祉資金に新設された長期生活支援資金貸付制度と緊急小口資金貸付制度を開始した。都社協から受託し生活福祉資金貸付事業とほぼ同様の事業で貸付実績も低迷していたため、港社協は緊急援護資金貸付事業を平成二九年に廃止した。生活福祉資金貸付制度は、令和二年に世界規模で感染拡大した新型コロナウイルス感染症によって経済活動に大きな打撃を受け、生活に窮乏した区民の一時的な経済的支援として活用され、過去に例をみない規模で相談と貸付が行われた。
令和元年に発生し、翌年から日本で感染拡大した新型コロナウイルス感染症は、それまで生活困窮を意識しない世帯にも影響を及ぼした。食糧の確保に困難をもつ人々への支援とフードロスの問題をつなげるフードドライブは港区においても展開された。区内から出される可燃ごみの約5・3%が未使用食品であるという調査結果から始まったフードドライブは、集めた食品を生活・就労支援センターや子ども食堂等に提供するという形で、それまで社会福祉と直接、関わりのなかった部署の協力と連携により、実現した。