【社会教育主事の設置】 昭和三二年東京都の社会教育主事を補うために社会教育指導員が各区に派遣されていた(昭和四〇年区に移管)。やがて昭和三四年の社会教育法改正に伴い、港区に社会教育の指導者として、社会教育主事が置かれた。
【社会教育委員の設置】 社会教育法により、区市町村に社会教育委員を置くことができるようになり、港区では昭和四四年に設置されている。学識経験者、社会教育関係団体代表、小中学校長からなる委員会は、初年度の答申(「港区における社会教育の今後のあり方について」)では、「都心区・昼間区としての港区」「活動力に富む港区」「国際区としての港区」として、港区の社会教育を位置付けた。この時期には、学校施設の充実が図られつつあったこともあり、設立から数年間の社会教育委員の会議への諮問事項は、社会教育施設、体育館、図書館の新設などが中心となっているが、団体の育成や事業についての検討も行っており、社会教育委員の会議は、名実ともに区の社会教育の根幹をなす貴重な存在となっている。
【青少年委員・体育指導委員】 昭和二八年、東京都が青少年委員を設け、青少年団体の育成指導者とした。昭和四〇年には都から区に移管され、二七人の委員によって構成された。
また昭和三二年体育指導委員が置かれ、地域におけるスポーツの推進を担った。やがてオリンピック東京大会開催を視野に入れて昭和三六年に「スポーツ振興法」が制定されると、区市町村に必置となって港区にも体育指導委員が置かれることとなった。