また、平成一〇年には港区ふれあい文化健康財団が港区スポーツふれあい文化健康財団に改められた。同財団はスポーツセンターなどの区の施設を管理し、コミュニティ振興、スポーツ振興、文化振興、生涯学習振興、健康増進の事業を実施するほか、現在では区民センター等の指定管理者も担うなど、行政の補完的な役割を果たしてきた。平成二二年度からは公益財団法人の認定を受けている。
平成二三年に「スポーツ基本法」が制定されたことを受けて、区は翌年三月に平成二四年度から二九年度を計画期間とする「港区スポーツ推進計画」を策定した。ここではスポーツを競技スポーツに限定せず、文化としてのスポーツという考え方に立ち、「みんなではぐくむスポーツ文化都市 みなと〜誰もがスポーツを楽しみ スポーツで元気になるまちをめざして〜」を基本理念として掲げた。
その後、港区教育ビジョンの制定や東京オリンピックの開催決定など情勢の変化を受けて、平成二七年度から令和二年度(二〇二〇年度)までの六か年計画として改めて「港区スポーツ推進計画」が策定された。平成二九年度の改定では、障害者スポーツ活動の場の充実と理解の促進、東京二〇二〇大会後のレガシーの継承・活用が新たに目標として追加された。
【区立スポーツ施設の環境整備】 昭和五〇年(一九七五)三月に開設した旧港区スポーツセンターは、区民のスポーツ活動の拠点となってきた。平成一四年にプール棟が改装され、また平成二五年には第六八回国民体育大会のなぎなた会場としても利用された。その後、平成二六年一二月にみなとパーク芝浦内に新スポーツセンターとして開設移転し、開館時刻の拡大、早朝・夜間教室のプログラムなどが実施されている。開設後、利用者数は約四七万人(平成二五年度)から約九二万八〇〇〇人(同三〇年度)と大幅に増加している。
そのほかの区のスポーツ施設の開設・廃止状況は表14-4-2-1のとおりである。
表14-4-2-1 スポーツ施設の開設・廃止などの状況
『港区教育史』通史編9(2022)から転載