港区では文化芸術を通じた交流や相互理解が進み、それにより多様性を認め合う価値観を醸成し、人々の行動の変化を促すことを目指し文化芸術振興プランを策定している。文化芸術の振興施策の方向性を示し、より効率的・総合的に推進するためにまとめられたもので、港区基本構想・基本計画を踏まえた個別計画という位置付けである。
平成二五年三月策定の「港区文化芸術振興プラン(平成二五年度~平成二九年度)」により、文化芸術振興施策の具体的な方向性および全体像が整理され、その後、平成二九年度に「港区文化芸術振興プラン(平成三〇年度~平成三五年度)」を策定した。同プランは条例の制定を背景とし、総合支所を中心とした、参画と協働による地域に根ざした文化芸術活動の推進、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けた港区ならではの文化プログラムの推進など、「文化芸術活動を通じて、年齢、障害の有無に関わらず、誰もが心豊かに生活し、共生できる地域社会を実現するとともに、そのレガシーを未来に渡って継承し、さらには平和な世界の実現に貢献していく」ことを目的としている。将来像に向けた「国際性を生かす」「豊富な文化資源を生かす」「誰もが文化芸術を鑑賞・参加・創造できる環境を整える」「文化芸術振興を、他分野の課題解決へとつなげる」「東京二〇二〇大会を契機として、レガシーを創出する」という五つの視点を踏まえて、共生・創造・交流によって「多様な人と文化が共生する世界に開かれた『文化の港』」と定義した。
同プランを踏まえて、令和三年度に「港区文化芸術振興プラン(令和三年度~令和八年度)」を策定した。「誰もが文化芸術を鑑賞・参加・創造できる機会の充実」「多様な主体間の協働による文化芸術振興」「文化芸術振興施策の推進に向けた基盤整備」の三点から施策の体系を整備した。同プランは令和五年度に港区基本計画に合わせて見直しを行う予定である。