「みなと区民まつり」は様々な区民のふれあいの場、連帯の場を作ることにより、区民の地域への愛着を高めることを目的として昭和五七年(一九八二)から現在まで毎年一〇月に開催されている。現在では港区、みなと区民まつり実行委員会および港区スポーツふれあい文化健康財団による共同主催としており、区内の様々な団体が参加している。また、平成二六年(二〇一四)からは国際友好広場で各国大使館のブースが出展され、大きな賑わいをみせるなど、大使館や外国人居住者が多い港区の国際化を示す重要な行事にもなっている。
なお、この区民まつりなどで演じられている「東京みなと音頭」は、昭和二四年に港区建設祭を記念して制作された港音頭を、「いまの時代にふさわしい音頭を作ってもらいたい」という区民からの要望により同四九年に新たに制作されたものである(一章コラム参照)。国際色豊かな都市としての特性と首都東京の港区というイメージを印象付けるため、現在の名称となった。
港区は港区スポーツふれあい文化健康財団と連携し、スポーツ振興・コミュティ振興・文化振興芸術文化支援の活動を通じた文化活動を行っている。前述の区民まつりをはじめ、みなと区民スポーツ・体育祭、お台場海浜マラソン、情報誌「キスポート」の発行、またKissポートクラシックコンサートや赤坂能ワークショップ、みなと区民大学などを挙げることができる。ほかにも、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けた文化交流プログラム推進事業として「港区競技かるた交流大会in増上寺」を開催し、外国人との交流促進を図るなど、文化・芸術を通した国際交流によって文化発信がなされている。 (中村 仁)