港区としての多言語化の取組

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港区では、多くの外国人が居住することから、様々な取組を行っている。その第一は多言語対応推進である。タブレット端末を利用したテレビ通訳はその一つであり、区役所・芝地区総合支所・麻布地区総合支所・赤坂地区総合支所・高輪地区総合支所・芝浦港南地区総合支所・台場分室・みなとリサイクル清掃事務所・子ども家庭支援センター・みなと保健所・児童相談所を訪れた外国人に対し、英語、韓国語/朝鮮語、中国語、インドネシア語、スペイン語、タイ語、タガログ語、ネパール語、ヒンディー語、フランス語、ベトナム語、ポルトガル語、ロシア語へ無償で通訳をしている。
第二はインターネット上での港区翻訳データベースの提供である。地名・区内施設(施設名・教育施設・町名・施設名〈一般〉)、緊急・防災・生活安全(緊急・防災・生活安全・防犯・事故)、届出・手続(届出・税金)、医療・健康・福祉(医療・障害者福祉・健康・福祉・高齢者福祉)、日常生活・生涯学習(ごみ・日常生活・住宅・生涯学習)、育児・教育(子育て・出産・育児)、その他(広報・制度・計画・その他)などの用語の仮名と、英語・韓国語/朝鮮語・中国語で用語集を提供している。
第三は東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、港区内に立地する店舗を対象に開始したオーダーメイドの多言語対応マニュアル(英語・中国語)の作成である。同事業は無料で実施しており、令和二年度で終了した。
第四は国際交流スペースの設置である。国際交流に関する情報発信や日本人との相互交流を推進するための拠点として北青山一丁目アパート内にグループ活動や地域交流の場として利用できる集会室を擁する国際交流スペースを設置している。このスペースには、多言語に対応した刊行物等を配置しているほか、交流や講座開催の拠点としての活用もなされている。
第五は国際防災ボランティアの募集である。災害時に外国人に正確な情報を提供し、意思疎通をスムーズに行うことを目的としている。ボランティアは平常時は防災訓練等、地域活動やイベント等での通訳等、災害発生時は区内に設置される避難所等での対応および通訳・外国人相談窓口での通訳・災害情報の翻訳等を担い、多言語によりコミュニケーションの橋渡しをすることで、外国人の言葉の不安を軽減して、安全・安心を確保している。ボランティアに対しては毎年「ボランティアの基礎知識」「災害時支援の基礎知識」「通訳技術・やさしい日本語」等の研修を行い、ボランティアのスキル維持と向上を図っている(図15-2-1-4)。

図 15-2-1-4 令和元年度国際防災ボランティア研修の様子


第六は外国人のための日本語教室等である。毎日使用する日本語や港区に関することを学ぶ基礎日本語教室・日本語サロンを提供するほか、ボランティアによる日本語教室に関する情報提供を行い、日本語の習得を支援している。
第七は区からの情報発信であり、港区に住民登録した外国人へ渡すウェルカム・パッケージとして、英語・韓国/朝鮮語・中国語でのMust Know Information(区役所・支所、緊急連絡先ほか)、港区暮らしのガイド(英語版、ハングル版、中国語版)、資源とごみの分別ガイドブック、みなとシティマップ、港区観光&マナーブック、港区国際交流協会ちらしなどを提供している。また、多言語AIチャットによる情報発信、Facebookページ「Minato Information Board」などによる情報提供を行っている。