❖地形と地質を探る

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 港区は、名前が付いている坂が23区で最も多いまちとされている。「第Ⅰ章 港区の地形と地質」は、地形観察への誘いから始まる。ここで設定された3ルートは、いずれも、台地と谷や東京湾岸沿いから北東にかけての低地から成る、港区の地形の特徴を観察することができるようになっている。とりわけ、坂の多さもさることながら、港区域の坂の特徴を体感する上で面白いルート設定といえる。
 次に、こうした地形がどのような経過で形成されてきたか、さらにどのような構造をもっているかについて詳述されている。至るところで改変がなされているものの、地形は地上から観察する機会をもつことができる一方で、地質を実地で観察することは不可能に近い。第Ⅰ章では、その地中の秘密に、しかも地表面からの深さが具体的に示された箇所での地質の様子に迫ることができる。