ⅰ 港区の地形を歩く

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 東京都港区は東京都心の南部を占め、青山、赤坂、麻布、六本木、白金(しろかね)、高輪(たかなわ)、新橋、芝、芝浦、港南(こうなん)、台場(だいば)など、それぞれ特色のある地域からなっている(p5、図1-ⅰ-1)。
 江戸時代には紀伊徳川家(現迎賓館赤坂離宮)をはじめとする武家屋敷、増上寺(ぞうじょうじ)や愛宕(あたご)神社などの寺社、東海道沿いの町屋などのそれぞれの町並みがみられ、また明治以降は新橋停車場などの鉄道、大学や学校、軍の施設、皇族の住居などが加わり、そして海岸部では埋立地が拡大した。また各国大使館、東京タワーやテレビ局、通信や電機メーカーはじめ、多くの企業や商業ビルもある。一方、赤坂御用地、青山霊園、芝公園、有栖川宮(ありすがわのみや)記念公園、白金台(しろかねだい)の自然教育園、台場公園などの緑地もみられる。
 現在は高層ビルが建ち並び、上記の緑地以外では自然の土地の姿がわかりにくくなっているが、23区の中でも港区は坂が多く、起伏の多い地形がみられる。土地の起伏である地形は、実際に足を運んでみると理解することができる。
 まずは港区内のいくつかの地域を歩いて、地形の特色をながめてみよう。