図1-ⅰ-4────六本木から麻布十番付近の地形(地理院地図)
六本木交差点(写真1-ⅰ-4)は、首都高速3号線の下の六本木通りと、外苑東通りの交差するところで、標高は約30mあり、どの方向に向かっても下り坂となる。
写真1-ⅰ-4────六本木交差点(高架は首都高速、南をのぞむ)
交差点の北側には東京ミッドタウン(もと防衛庁檜町(ひのきちょう)庁舎)や檜町公園(毛利(もうり)藩屋敷跡)があり、檜町公園の前が「檜坂」である(写真1-ⅰ-5)。北東へ向かう六本木通りの坂は「市三坂(いちみざか)」で、首都高速道路の谷町(たにまち)ジャンクション方面へ下り、その先は溜池方面へ続く。六本木交差点から南へ「芋洗坂(いもあらいざか)」を下ると、右手に六本木中学校がみえ、近くには「饂飩坂(うどんざか)」という急な坂もある。
写真1-ⅰ-5────檜坂(赤坂6丁目)
芋洗坂を下り、外苑東通りをさらにすすむと、地下鉄の麻布十番(あざぶじゅうばん)駅がある。麻布十番商店街は、外苑東通りの南側を併走する。六本木交差点から麻布十番までは下り坂になっているが、ほかにも国際文化会館横に「鳥居坂(とりいざか)」(写真1-ⅰ-6)、麻布十番商店街の南側には「暗闇坂(くらやみざか)」や「七面坂(しちめんざか)」などがあり、麻布十番も周囲から比べると低い地形となる。麻布十番の南側は麻布の台地で、「一本松坂」や「仙台坂」などがある。
写真1-ⅰ-6────鳥居坂(六本木5丁目)
このように麻布十番駅付近は周囲を高台に囲まれた低地で、標高は約5mである。近くを古川(上流は渋谷川)が流れている。麻布通りとの交差点は一之橋(いちのはし)交差点といい、一之橋は古川の橋の名前である。古川は一之橋付近で90度向きを変え、北へ向かっていたのが東へ向かう。つまりこの付近は古川の谷底ということができる。古川の谷から北へ向かうと「永坂(ながさか)」や「狸穴坂(まみあなざか)」が、対岸となる南側の三田の高台には「日向坂(ひゅうがざか)」や「神明坂(しんめいざか)」などがある。