2)東京の平年値による気候の特徴

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 東京の気候概要として、港区に近い気象庁東京管区気象台(千代田区大手町、観測点名:東京)における1981~2010年(30年間)の観測値から求めた月平均気温(折れ線:右軸)と月降水量(棒:左軸)の平年値を雨温図として図2-ⅰ-1に示した。東京における年平均気温と年降水量の平年値は、それぞれ15.4℃と1528.8mmである。地球全体の年平均気温は約15℃、年降水量は約1000mmと見積もられており、東京の気温はこれと同程度で、降水量はおよそ1.5倍である。気温の季節変化に関しては、最寒月が1月で5.2℃、最暖月は8月で26.4℃であり、両者の差である気温の年較差は21.2℃である。降水量については、12月が最少雨月にあたり51.0mmで、最多雨月が9月の209.9mmであり、降水量の多い6~10月の各月降水量は、それぞれ冬季(12、1、2月)における各月の降水量のおよそ3~4倍に達する。

図2-ⅰ-1────東京(気象庁:大手町)の雨温図
統計期間は1981~2010年。
気象庁資料により作成。


 なお、東京観測点は2014年12月に千代田区大手町の気象庁敷地内露場から、直線距離で約900m離れた北の丸公園内に移転した。図2-ⅰ-1では平年値として2010年までの30年間を用いているため移転を考慮する必要はないが、移転後に観測される気温は年平均値で比較した場合、日最低気温は1.4℃、平均気温は0.9℃、日最高気温は0.2℃それぞれ低くなるとされる(気象庁観測部 2016)。また、年平均の相対湿度は、比にして5%(数値では3%)高くなる。