2)東京の気温分布を捉える

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 都市気候とは、都市化に伴って自然状態から改変された気候の状態を指す。気温分布を等温線によって描くと、都心を高温の中心とした同心円状となり、海に浮かぶ島の等高線にように見えることからヒートアイランド(熱の島)と呼ばれ、しばしば都市気候現象の代表として取り上げられる。形成プロセス等については章末コラム「都市ヒートアイランド現象の形成要因」に譲り、ここでは東京の気温分布の概要を捉えよう。
 都心域が高温となる典型的な都市ヒートアイランドは、一般的に冬の夜間から早朝に、晴天弱風の条件下で顕著に現れる。以下では、東京における都市ヒートアイランドの典型として冬季夜間の気温分布を、また、熱中症や電力使用量の点からマスコミ等でも話題になることが多い夏季日中の気温分布をそれぞれ取り上げる。そして、港区における局地的な気温分布の特徴について、夏季における海風との関連から検討を加える。