ⅶ 日照時間と日射量

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 日照時間とは、直射日光が地表を照射した時間であり、現在では太陽の光球面から到達する直達日射量が0.12kW/m2以上である積算の時間とnして定義(気象庁1998)され、計測には、太陽電池式日照計や、太陽を追尾する回転式日照計が使用されている。かつては、ピンホールを通過した太陽光が感光紙上に残した露光痕の長さから日照時間を求めるジョルダン式日照計が用いられていた。日照計の種類により感度が異なるため、一般に測器の種類に変更があった場合は統計が切断される。港区に最も近接して日照時間や日射量を観測している地点として、東京(気象庁)の観測値を用いる。
 東京(気象庁)では1987年と2007年に測器の交換が行われているため、補正が施された1987~2010年の観測値を用いる。東京における年間日照時間の平均値(1987~2010年)は、1892.6時間である。図2-ⅶ-1aには、東京と東京西郊の八王子(アメダス)および山梨県甲府(地方気象台)における半旬日照時間の季節変化を示している。これらの地点を比較すると、東京や八王子の方が甲府よりも年間を通して日照時間が短く、東京と八王子とでは8月を中心とする夏季には東京の日照時間がやや長いが、年間を通した時間数では大差がない。いずれの地点においても6~7月の梅雨季および9~10月の秋雨・台風季に顕著な落ち込みが認められる。6~7月は日中の時間が最も長い時期であるが、梅雨季の東京では半旬あたり16時間程度(1日あたり3時間強)と、梅雨季や秋雨・台風季以外の約30時間(1日あたり6時間程度)の概ね半分であり、曇雨天が多く陰鬱な梅雨の特徴がよく現れている。

図2-ⅶ-1────東京(気象庁)と八王子、甲府における半旬日照時間(a)および東京における全天日射量(b)の季節推移
統計期間は1987~2010年。
気象庁資料により作成。


 このような梅雨や秋雨に対応する日照時間の短い時期を除けば、東京の日照時間は概ね半旬あたり30時間程度である。一方で、日射の強さを表す日射量は、太陽高度の高低によって季節変化する。図2-ⅶ-1bには東京における全天日射量の季節変化を示した。全天日射量は、上述の直達日射量と、大気中のちりや雲粒などによって散乱した太陽光が全天からやってくる散乱日射量とを合わせたものであり、地表面に達する日射量の全体を表す。全天日射量が最大となるのは、本来は太陽高度が最大となる夏至の頃であるが、日本の大部分では梅雨の時期に当たってしまう。そのため梅雨入り前と梅雨明け後に日射量の極大が現れることになる。とりわけ、大気中に水蒸気量がまだ多くなく、日射の透過性が高い梅雨入り前の5月後半に年間で最も日射量が大きくなる。