東京における気象観測は、1875年6月に内務省地理寮構内(現在の港区虎ノ門)で開始され、そこが東京気象台となり、後に1887年1月には中央気象台、1956年7月には気象庁へと変遷した。地点名「東京」の観測場所(露場)は1882年(皇居旧本丸北桔梗橋付近)、1923年(旧麹町区元衛町)、および1964年(千代田区大手町)に移転している。近年では2007年11月に風向風速および全天日射量・日照時間の観測場所が北の丸公園内の科学技術館屋上に、また気温や降水量などの観測場所も2014年12月に北の丸公園内の露場に移転した。観測環境の変化により、2007年の移転では風速が、2014年の移転では気温や相対湿度などの統計が切断されている(気象庁HP:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/gyomu/index2.htmlなど)。そのほかにも観測機器の変更などにより統計が切断されている場合がある。以下では地点名「東京」における資料により、観測時代の気温(1876~2014年)、降水量(1876~2018年)および相対湿度(1876~2014年)の変化傾向を概観する。