2)コケ類とキノコ類

80 ~ 81 / 111ページ
 コケ類130種には都市部で比較的よくみられる種が多く含まれ、地面や岩場、コンクリート、樹幹などにホウオウゴケ科のキャラボクゴケ(写真2-ⅰ-1)やアオギヌゴケ科のツクシナギゴケモドキ、ヒナノハイゴケ科のサヤゴケ、チャシブゴケ科のコナイボゴケ、ムカデゴケ科のクロウラムカデゴケなどが生育している。その一方で、樹林の多い芝浦中央公園や有栖川宮記念公園などでは、都市部ではあまりみられないロウソクゴケ科のロウソクゴケ(写真2-ⅰ-2)やハナゴケ科のヒメレンゲゴケなども多く確認されている。重要種として環境省RLで絶滅危惧Ⅱ類VUに指定されているヤワラゼニゴケ科のヤワラゼニゴケが自然教育園で記録されている。外来種として、ミカヅキゼニゴケ科のミカヅキゼニゴケという、地中海沿岸が原産の種が記録されている。

写真2-ⅰ-1────キャラボクゴケ

写真2-ⅰ-2────ロウソクゴケ


 キノコ類は、ふつう山地の樹林に多く生育しているが、港区ではそのほとんど(145種のうちの120種)が自然教育園で記録されている(その他の地域では54種が確認されている)。キノコ類は、落ち葉などの動植物の遺骸を分解する腐生菌(ホウライタケ科のハリガネオチバタケ(写真2-ⅰ-3)、サルノコシカケ科のヒイロタケ(写真2-ⅰ-4)など)や植物と共生関係のある菌根菌(アンズタケ科のヒナアンズタケ(写真2-ⅰ-5)など)、あるいは木材腐朽菌(マンネンタケ科のコフキサルノコシカケやサルノコシカケ科のベッコウタケなど)からなり、まとまった樹林のあるところに多い。また、海岸の砂浜に特有のツキヨタケ科のスナジホウライタケという種がお台場海浜公園で記録されている。重要種はイグチ科のヤマドリタケが環境省RLで情報不足DDに指定されているが、これも自然教育園で記録されている。なお、外来種は確認されていない。

写真2-ⅰ-3────ハリガネオチバタケ

写真2-ⅰ-4────ヒイロタケ

写真2-ⅰ-5────ヒナアンズタケ