3)海域の底生生物

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 港区の海域の底生生物は、これまでに13号地(現在のお台場と青海)やお台場海浜公園、第六台場、鳥の島(旧防波堤)、芝浦ふ頭南、高浜運河で127科271種が確認されている。岩場や砂泥底域、干潟、あるいは護岸といった多様な環境があるため、場所によって出現する生物が異なる。岩場には付着動物であるフジツボ類やイガイ類、イタボガキ科のマガキ(写真2-ⅲ-12)などが、砂泥底域にはマルスダレガイ科のアサリ(写真2-ⅲ-13)やホンビノスガイ(写真2-ⅲ-14)、フネガイ科のサルボウガイ(写真2-ⅲ-15)などの二枚貝類やゴカイ類などが、干潟域にはスナガニ科のコメツキガニ(写真2-ⅲ-16)などが、さらに岸壁にはフジツボ類やイガイ類が生息している。港区生物現況調査(第2次)で最も種数が多かったのはお台場海浜公園で106種(人工の磯浜で83種、人工の砂浜で65種)、次いで鳥の島と第六台場で68種、芝浦ふ頭南で42種、さらに高浜運河では24種であった。芝浦ふ頭南と高浜運河は垂直護岸に囲まれて水深が深いため、海底の砂底や泥底に生息する二枚貝類やゴカイ類が少ない。

写真2-ⅲ-12────マガキ

写真2-ⅲ-13────アサリ

写真2-ⅲ-14────ホンビノスガイ

写真2-ⅲ-15────サルボウガイ

写真2-ⅲ-16────コメツキガニ


 海産の底生生物の重要種は環境省RLの準絶滅危惧種NTに指定されているミズゴマツボ科のウミゴマツボ(写真2-ⅲ-17)1種で、お台場海浜公園の砂浜と磯浜で出現した。

写真2-ⅲ-17────ウミゴマツボ


 外来種は14種で、外来種リストのその他の総合対策外来種に、イガイ科のムラサキイガイ(写真2-ⅲ-18)とミドリイガイ、コウロエンカワヒバリガイ、カワホトトギス科のイガイダマシ、フジツボ科のタテジマフジツボ、およびワタリガニ科のチチュウカイミドリガニが指定されている。

写真2-ⅲ-18────ムラサキイガイ


 第2次生物現況調査では、港区と大田区、横浜市の大型軟体動物と大型甲殻類の記録を比較している。大型軟体動物では港区30種、大田区25種、横浜市42種、大型甲殻類では29種、24種、30種と両方の分類群で横浜市が多かった。これは、内湾性のマガキやタテジマフジツボ、イシガニなどだけではなく、外海性のミョウガガイ科のカメノテやオウギガニ科のスベスベマンジュウガニなどが出現したことによる。また、大田区では河口域のヨシ原に生息するモクズガニ科のアシハラガニやベンケイガニ科のクロベンケイガニなどが出現するが、港区では河口域もコンクリートで護岸されてヨシ原がないために、これらの出現記録がない。