4)陸水域の魚類

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 これまでに14科40種が確認されている。コイ科のギンブナやモツゴ(写真2-ⅲ-19)あるいはドジョウ科のドジョウ(写真2-ⅲ-20)などのように、関東平野でごくふつうにみられる種が確認されている一方で、古川の下流のような潮の干満の影響を受ける感潮域ではハゼ科のマハゼ(写真2-ⅲ-21)やスズキ科のスズキ、ボラ科のボラ(写真2-ⅲ-22)のような汽水魚もみられる。また、川と海とを行き来するコイ科のマルタ(産卵に関係なく行き来する両側回遊魚)やウナギ科のニホンウナギ(産卵のために河川を下る降河回遊魚)、さらにはニシン科のサッパやシマイサキ科のコトヒキなどの海水魚も確認できる。ただし、陸水域の面積が狭いために、コイ科のハクレンやソウギョ、ナマズ科のナマズといった大型の淡水魚は出現していない。

写真2-ⅲ-19────モツゴ

写真2-ⅲ-20────ドジョウ

写真2-ⅲ-21────マハゼ

写真2-ⅲ-22────ボラ


 陸水域の魚類の重要種は、環境省RLで絶滅危惧IB類ENに指定されているコイ科のゲンゴロウブナを除外して、10種である。ゲンゴロウブナは元々琵琶湖原産であるが、人為的に日本全国に放流されたため、いわゆる国内外来種になる。重要種には、国の天然記念物であり環境省RLの絶滅危惧IA類CRと種の保存法の国内希少野生動植物にも指定されているコイ科のミヤコタナゴも含まれるが、1987年の記録以降は確認されていない。なお、ミヤコタナゴは東京都のRDBでは絶滅EXになっている。ウナギ科のニホンウナギは環境省RLの絶滅危惧ⅠB類ENに、メダカ科のミナミメダカとコイ科のキンブナは絶滅危惧Ⅱ類VUに指定されている。
 外来種も10種が記録されている。外来生物法の特定外来生物に指定されているのはカダヤシ科のカダヤシ(写真2-ⅲ-23)とサンフィッシュ科のブルーギル(写真2-ⅲ-24)とオオクチバス(写真2-ⅲ-25)である。なお、冬季に弁慶堀に釣魚として放流されているサケ科のニジマスも外来魚で、外来種リストの産業管理外来種に指定されている。

写真2-ⅲ-23────カダヤシ

写真2-ⅲ-24────ブルーギル

写真2-ⅲ-25────オオクチバス


 第2次生物現況調査では17種が採集されている。大田区の洗足池(8種)や千代田区の皇居の外堀(16種)と内堀(14種)に比較すると、港区では多くの陸水性魚類が確認されている。ただし場所別では、旧芝離宮恩賜庭園が4種、弁慶堀が10種、有栖川宮記念公園が10種である。また、古川19種と都内の河川とを比較すると、規模が大きな多摩川の47種は別格として、大田区の内川19種、呑川11種、目黒区と品川区の目黒川10種、さらに中央区の5河川では0~3種で、古川での出現種数は比較的多い。
 1988年度に実施した第1次生物現況調査と2009年度に実施した第2次調査の同一調査地点は、旧芝離宮恩賜庭園と弁慶堀である。これらを比較すると、コイやギンブナ、ニジマス、タウナギ、タイワンドジョウ科のカムルチー(写真2-ⅲ-26)などが新たに加わっている。またブルーギルは、前回は確認できなかったが、第2次生物現況調査では稚魚から成魚までがかなり高密度に確認されている。

写真2-ⅲ-26────カムルチー