◎ビオトープとエコロジカルネットワーク

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ビオトープ(Biotop あるいは Biotope)は生命(bio)と場所(topos)の合成語で、もともとは「生物の生息空間」のことである。しかし今はもっと意味が多様化して、小さな池から地域の生態系までを含むが、一般的には「人工的に作られた、地域の野生の生きものが暮らす場所」を指す。港区では公園の中に意識をしてビオトープエリアを設けたり、あるいは学校につくったりしている。元麻布三丁目緑地の水辺ビオトープや港南緑水公園の自然観察池(写真(1))は前者の例で、区立青山中学校や高輪台小学校のビオトープは後者の例である。水辺にはツユクサや水生植物、メダカやオタマジャクシ、トンボの幼虫のヤゴなどがみられ、草地ではショウリョウバッタ(写真(2))やオオカマキリ(写真(3))などが生息している。

写真(1)────港南緑水公園の自然観察池

写真(2)────ショウリョウバッタ

写真(3)────オオカマキリ


ビオトープをつくることは自然を学ぶだけではなく地域の歴史や現状を知ることにもなり、ビオトープ自体もまた自然と触れ合うことのできる貴重な体験の場になる。それぞれのビオトープの目的や管理方法をきちんと整理し、学校教育や地域連携の場として活用されることが望まれる。
「点在する緑」の小さなビオトープも、「拠点」となる公園や「供給地」となる屋敷跡あるいは寺社境内、さらには「回廊」となる街路樹などと結ばれ、生物にとっての大きな生息場のエコロジカルネットワーク(生態系ネットワーク)を形成する。港区のエコロジカルネットワークには、東西方向に回廊が少ないことや供給地や拠点が分断されているエリアのあること、古川に沿っての回廊や南北に伸びる運河域の回廊が形成されていないことなど、問題点も指摘されている。
今後、いろいろな自然環境とそこに生育・生息する生きものたちを楽しむことができ、さらにそうした生きものたちを通して季節の変化を楽しめるような、より緊密なエコロジカルネットワークが港区内で形成されることが期待される。さらに、港区内のエコロジカルネットワークが近隣の自治体のそれと連関し、より大きく、よりつながりのあるネットワークが形成されることが望まれる。