古川

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 古川は、渋谷区との区境の天現寺橋から河口までの4.4kmを、東西に走る川です(図1-4-4)。高度処理水と雨水、排水が水源ですが、河口からは海水が侵入してきます。そのため、上流では淡水ですが、三の橋あたりでは潮の干満の影響を受ける感潮域になり、河口では河川水と海水のまじりあう汽水域になります。古川の上空はほぼ全域にわたって首都高速道路が走っているため、日照は遮られます。また護岸はコンクリート化されているために、生物が避難したりすみついたりするような場所がありません。
 そうした厳しい環境を反映して、古川では緩やかな流れや流れのない止水域に生息するトンボの仲間やスジエビなどが見られません。それでも上流には、汚れた水でも平気なサカマキガイなどの生物が生息しています。魚類も、古川の上流や中流では少ないのですが、河口ではボラやスズキなどの汽水性の魚類が見られます。ニホンウナギ(図1-4-5)やマルタ(図1-4-6)などのように川と海を行き来する魚類も確認されていますが、アユの記録はありません。

図1-4-4 古川

図1-4-5 ニホンウナギ

図1-4-6 マルタ