原始・古代の暮らしの様子を伝える伊皿子貝塚

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図2-3-1 伊皿子貝塚の貝層表面


 
 伊皿子貝塚遺跡*の発掘調査では、縄文時代の貝層、弥生時代の墓、古墳時代や平安時代の住居跡が重層的に発見され、港区内では多くが消滅したと思われていた原始・古代の遺跡がまだ残っていることがわかりました。写真は発掘調査時に検出された貝層の表面です。調査区の大半に貝殻が見えますが、写真の奥や右側には溝状の穴が確認できます。これは方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)と呼ばれる弥生時代の墓の一部で、貝層を掘り込んでつくられていました。
 *縄文時代から江戸時代の遺構や遺物が発見されたことから、遺跡の正式名称は「伊皿子貝塚遺跡」とされています。
〈→『通史編』原始・古代・中世 「原始」第三章〉