この土器は、須和田(すわだ)式土器と呼ばれる港区で最も古い弥生時代中期中頃の壺形土器です(図2-4-6)。明治大学博物館の所蔵資料ですが、採集時期、出土地点や出土状況などは不明です。残存状態は良好で、口径8.0cm、器高31.6cm、底径6.8cm、胴部の最も膨らんだ部分の径が24.9cmを測ります。頸部(けいぶ)に3条、肩部に1条、胴部の中央から下に1条の沈線(ちんせん)が一周し、頸部と胴部の下半は無文になります。肩部と胴部中央の間には、2条から4条の沈線による菱形の区画文と刺突文(しとつもん)で構成される2段の文様帯がみられ、底部に径3.8cmほどの孔が開けられています。
図2-4-6 伝芝公園出土須和田式壺形土器
明治大学博物館原蔵