芝公園採集の埴輪

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 芝公園ではしばしば埴輪片が採集されています。鳥居龍蔵(とりいりゅうぞう)(1870~1953)によって紹介された2点の人物埴輪の頭部はよく知られていますが、立正大学博物館が所蔵している人物埴輪頭部(図3-2-6)も芝公園出土とされるものです。

図3-2-6 伝芝公園出土人物埴輪
立正大学博物館所蔵


 発掘調査では、芝丸山古墳の東方に位置する増上寺寺域第2遺跡で、馬型埴輪の頤(おとがい)付近と考えられる破片資料(図3-2-7)が出土しています。この資料は、台地上につくられた円墳から谷間に転がり込んだものと推測されます。東京都江戸東京たてもの園には、昭和13年(1938)に採集された円筒埴輪片が10点(図3-2-8)所蔵されており、うち3点が第一号墳あるいは第三号墳付近で採集された資料であることがわかっています。港区立郷土歴史館ではほかに、昭和56年(1981)に採集された円筒埴輪片1点を所蔵しています。

図3-2-7 増上寺寺域第2遺跡出土埴輪(縮尺1/2)

図3-2-8 芝公園採集埴輪
江戸東京たてもの園所蔵