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第4章 中世
第5節 阿佐布門徒の実像
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元麻布に、浄土真宗本願寺派の麻布山善福寺があります。堂々たる本堂は、明和4年(1767)建築の東本願寺八尾別院の本堂を昭和36年(1961)に移築したもので、港区の指定文化財となっています。貞永元年(1232)6月、親鸞が当寺に立ち寄り、住持の了海がこれに帰依、真言宗から浄土真宗に改宗したとされています。以降、善福寺を信仰の拠点とした信者は「阿佐布門徒」と呼ばれ、各地に点在する真宗門徒のなかでも大きな勢力を持っていました。