武州豊島郡江戸庄図

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図5-3-1 「武州豊島郡江戸庄図」(部分)
東京都公文書館所蔵


 
 ここに掲げた「武州豊島郡江戸庄図」は刊行された江戸図として最も古いもので、寛永9年(1632)という刊行年が記されています。そこには、明暦3年(1657)の江戸大火で失われることになる初期城下町の完成間近な姿が描かれています。この図でひときわ目立つのが赤坂の溜池で、「江戸水道の水上」と書かれています。それは玉川上水整備以前における水道インフラの在り方を示す貴重な情報なのです。
〈→『通史編』近世(上) 第一章〉