第5節 大名屋敷—閉ざされた空間と開かれた社会関係

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 江戸の都市空間はおよそ7割が武家地で占められていて、そのまた6割近くが大名屋敷であったと推定されています。立派な門と塀、表長屋によって閉ざされた巨大な大名屋敷ですが、藩邸の外の江戸社会と実は多様な関係を取り結んでいました。ここでは大名屋敷の存在が都市江戸にとってどのような意味をもったのか、長州藩麻布屋敷を事例として考えていきましょう。