図5-10-1 天徳寺墓所の遠景(明治3年[1870]頃撮影)
『The Far East』1871年6月16日号より転載
明治初年の英字新聞に掲載された天徳寺墓所の様子です。西久保に所在した浄土宗寺院天徳寺には、徳川将軍家に所縁(ゆかり)のある大名家の墓や位牌所が建ち並び、一般の庶民墓とはかけ離れた光景を呈しています。撮影したのはオーストリアからやってきた当時17歳の写真家、ミヒャエル・モーザーでした。彼が撮影した貴重な古写真については、近年東京大学史料編纂所画像史料解析センターでの研究が進展しています。
〈→『通史編』近世(上) 第三章〉