第15節 海と生きる——本芝・金杉の漁師と魚問屋

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 千葉県の富津(ふっつ)と神奈川県の観音崎(走水(はしりみず))を結んだ線の内側を「内之海」と呼び、かつてはイワシやサワラなどの外洋性回遊魚も捕れる豊かな漁場でした。また、品川と深川洲崎(ふかがわすざき)を結んだ内側が「江戸前浦々」で、ここに金杉浦(かなすぎうら)と本芝浦(ほんしばうら)が位置しています。
 海に面している港区域には、かつて漁業や魚の流通に従事し、海とともに生きた人びとが数多く存在していました。江戸城への鮮魚の上納と、江戸市中への供給を支えたその活動を見ていきましょう。