御台場とは砲台と同義であり、「御」は築造責任者となる将軍または大名などを指す用語のため、基本的に江戸時代では「御台場(おだいば)」と呼ばれていました。
その御台場は、品川沖だけでなく全国に点在しており、築造地の地名を名前に付けるのが通例です。しかし、ここで取り上げる御台場は、地名のない海上に築造されたため、内海御台場、品川御台場、品川沖○番御台場など複数の名称が存在しています。現在一般的に広く知られている品川台場の名称は、大正15年(1926)10月20日付で国史跡に指定された時のもので、現存する第三台場と第六台場が対象になっています。築造地を考えればいずれの名称も誤りではありませんが、ここでは品川台場と表記をします。
図5-18-2 品川台場築造位置推定図
品川区立品川歴史館解説シート「品川御台場」掲載図に加筆し、修正