土地利用の在り方は、とりわけ武家屋敷跡で大きく変わりました。明治期、町人地では江戸時代の占有権がほぼ継承されたことから土地利用の在り方に著しい変化は生じませんでしたが、新政府は、武家地は基本的に収公する方針とし、その上で土地形状や地割等は大きく変えずに利用の在り方を変えていきました。
港区内のまちを、江戸図や近代の地図を携えて歩いてみると、利用の在り方こそ時代とともに変化してきましたが、江戸時代や明治時代の土地の形状や地割をたどることができます。ただし、近年の市街地再開発により、江戸・明治時代以来の伝統的な地割が、大きく変わりつつある地域が出現しています。
(髙山 優)