さらにこれらの目に見える東西を横断するインフラの下には、地下鉄網による目に見えない都市構造が潜伏しています。地下鉄の乗換え駅をプロットした図(図7-9-2赤丸印、図7-9-3①)にそれが可視化されています。これを見ると、地下鉄による移動時間が地上の距離に必ずしも比例しないという、その他の都市交通との時間空間の不一致が、地上に見える都市経済の風景を生んでいることがわかります。
港区の南北の3段構造を3本の東西方向のインフラが横断することで作り出される12の領域は、このような地下鉄のネットワークによって互いに分節されながらも全体として制御される都市の姿を形作っています。
図7-9-3① 快適な道路・交通ネットワークの形成(方針図)
『港区まちづくりマスタープラン』(2017年)を一部加工