人口減少時代の国際生活都市

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 その結果生み出された都市ビジョンが「国際生活都市」です(図7-9-3②)。世界を代表するメトロポリスとなった東京でのライフスタイルは、ビジネスシーンはもちろん、日常生活においても世界と無関係であることはほぼ不可能です。そのことを前提とすべき都市の未来において、外国人観光客やビジネスマンが昼夜行き交う目に見える国際性を持った港区の街並みは、国民の人口が減少する縮退時代の世界都市モデルの先駆けを目指そうとしています。すなわち、居住人口と昼夜人口の差を夜間人口の多い特性によって賄うことで、その経済的発展と都市環境の質を維持・向上しようとする考えです。世界の諸都市との時差が、国際生活としての現地生活を休みなく稼働させる、都市部でこそ可能な人口減少時代のまちづくりと言えるでしょう。

図7-9-3② 良好な居住環境と国際ビジネス拠点の形成の両立(方針図)
『港区まちづくりマスタープラン』(2017年)を一部加工