水戸市100年委員会会長
水戸市長 佐川一信
わが国最初の市制施行と共に誕生した水戸市は、日本を代表する歴史のまちとして発展してきました。
そして、学問の府としてその名を全国に轟かせ、水と緑の美しい自然の中で豊かな精神文化を育んできたのであります。
これら先人が残した自然と歴史は、水戸の伝統として生き続けており、市民の人間形成の背景をなしているのであります。
そして今日、水戸市は二十一世紀の新時代に向かって、かかる伝統の中から新しい文化を創出するために、市民総参加で英知と総力を結集しています。
みんなの100周年――。その力の主体となるのが市制施行100周年を記念する数々の事業であります。
総合的な芸術・文化を創造する(仮称)水戸芸術館の建設もその一つであり、なかでも高さ百メートルの、正四面体を組み合わせた三重螺旋の塔は、世界で初めてのものとして注目を集めています。そして記念出版事業の一つとして、『水戸市史』を踏まえた近現代年表を作成します。
これらにさきがけて刊行した写真集「水戸百年」は、多くの市民の方々の水戸を愛する心から生まれたものです。
郷土を形づくってきたさまざまな要素は、明治、大正、昭和と続く百年の歴史の流れの中に明瞭に浮かび上がってきます。この写真集から、水戸がもつ魅力や個性を再確認し、「水戸らしく、新しく――伝統から創造へ――」のもと、新たなる時代への鼓動を感じとっていただければ幸いです。