第二章 発掘調査の概要 1 A地点

 新校舎建設地の3地点,現校舎東側の旧テニスコート(A地点),同北側の空地(B地点)と玄関前の植込み(C地点)に確認調査を実施した結果,A・Bの両地点から住居址が発見されたけれども,玄関前のC地点には遺構が存在しなかった.

1 A地点
 面積約600m2の旧テニスコートである.この地内に幅2,5~3,0mのトレンチ5本を東西・南北に設定し,表土の除去を行った.現表上下約20cm前後のローム面には,昭和33年当時の木造校舎のコンクリート基礎が残っており,撹乱穴や溝なども発見された.トレンチの西北端近くに住居址らしい遺構を2軒検出したため,この部分は拡張し調査を行った.両遺構ともにコンクリートの基礎工事と撹乱の影響を受けている.遺構は住居址と考えられ,内部から縄文時代前期の土器破片が多数出土した.
 また,本調査区の南側崖端には,古墳の封土の一部(高さ約1,5m)が残っており,トレンチ内には周溝の検出を期待したけれど醜ついに周溝と思われる掘込みは確認できなかった.周溝が存在するとすれば,多分裾部の駐輪場内になるであろう.

第一図 発掘調査区域図

第二図 A地点遺構分布図