第六章 北屋敷第二号古墳の調査 1 遺存状態

1 遺存状態(図版第二)
 北屋敷第二号古墳の発見の経緯については,すでに述べてきたとおりである.現墳丘の東南側一帯は,第二次大戦中に旧陸軍が構築した防空壕が存在し,そこから掘りだした土砂が積まれたり,あるいは墳丘の一部を削り取ったような跡がみられて,現状は著しく変形しているように思われる.南西側から眺めた墳丘は,円墳の形状を呈するけれども,東南側からみると,東側に土砂が一段低く堆積し,あたかも前方後円墳を思わせる.北西側は支谷に臨む台地緑を形成し,墳丘の状態はおおむね良好に保存されているように見受けられる.なお,防空壕は他にも存在するらしいが,現状からは位置の確認が困難である.