3 古墳時代の遺物(第三六図)
前期から中期の資料が比較的多く採集できた.これは3軒の住居址が検出された事例からみて当然のことである.
02~04は,台付甕形土器の破片で,器の内外面に刷毛目による調整痕がみられる.05は複合口縁の壺形を呈し刷毛目を有する.底部破片06~09は刷毛目を有し底部が突出する.010~013は粗製の異型器台形土器に該当する.成形技法は住居址出土の資料と同一であり,前期五領式の仲間になる.014は器受部を欠損した通常の器台形土器,箆と刷毛目で器面が調整される.015は高坏形土器の杯部,016は外反しながら開く脚部,017と018は柱状の下部に脹らみをもつ脚部破片,019は口縁部と底部を欠失した小型の壺で,いずれも中期和泉式の要素をそなえている