水道史の立場

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 人間の身体の約70パーセントは水分であるため,常に新しい水を補給することが,わたしたちの日常生活の基本になっている。そのため,古くから人類は生命を維持する重要なものとして,飲料水を中心としたきれいな水の入手に努めてきた。とくに人口の集中する都市の繁栄は,必要量の水を安定して供給できる水道を確立することだといわれている。

 水戸が鎌倉時代以来歴史に名を残し,現在まで発展しているのは,水に関係の深い地形上に位置したからである。また,それを先祖たちが積極的に活用し,都市生活の基礎にしたからでもある。それらの過程が水戸そのものの特色であり,歴史なのである。

 しかし,古くから水と森の都といわれた水戸でも,かつては人口の増加による居住地の拡大で,飲料水の確保に苦しみ悩んだ時代がある。現在,先人の残した足跡を教訓とし,将来に備えようとする姿勢が市民と市当局の協力で樹立されつつある。

 以上の過程を住民の立場から,水と人間生活の関わり方を水の文化史として,明確にしたい。