水戸市は洪積台地と沖積低地からなる関東平野の北東端部に位置している。那珂川の下流部に当市はあり,東側は那珂川低地帯が広がり太平洋に臨む。北側は那珂川を隔てて那珂台地,阿武隈山地に属する多賀山地があり,西側は全隈(またぐま)丘陵,八溝山地に属する鶏足(とりあし)山塊がある。そして南側は東茨城台地が広がる。
気候は太平洋岸にあるため表日本型気候の関東気候区に属している。沖合を日本海流(暖流)や千島海流(寒流)が流れているので,その影響を受ける海洋性の気候的特徴をもっている。
なおこの両海流の変換点とも関連して茨城県は気候的には東北型気候への漸移地帯にあたる。
生物的な面をみると,気候が漸移地帯であるためその影響を強く受け,南国性の北限的位置にある一方,北国性の南限的位置にもある。植物帯上は,暖帯林と温帯林が接する茨城県にあって,水戸は暖帯林の北端部にあたり,常緑広葉樹林域に属している。