水戸の年平均気温は13.2度で,これは他の都市と比較すると,札幌より5.2度高く,鹿児島よりは4.1度低い。札幌と鹿児島との気温差は,気温を左右する最大の因子が緯度であるから当然といえる。しかし,水戸とほぼ同緯度にありながら金沢の方は0.8度高く,6月から9月にかけては1度高い。この関係は仙台と新潟を比較しても同様である。このように北陸地方が夏季に高温になるのは,海流(暖流)や夏の季節風などの影響によっている。裏日本は南東の季節風の風下になるので,フェーン現象によって気温が上昇することはよく知られている。
また,関東地方の内陸にある前橋・熊谷は水戸より常に高い。これは,冬季には季節風が強く放射冷却が小さいこと,両市の内陸性に対し,海洋性の水戸は千島海流(寒流)やオホーツク海気団の影響で夏季に気温が低くなることが原因となっている。
気温の季節的変化をみると,最寒月は1月の2.5度,最暖月は8月の24.8度,年較差22.3度である。冬季は2度から6度を示すが,春季になると急に温暖となり,気温は10度以上になる。夏季にはほぼ20度以上を示し,秋季になると10度代に低下する。
水戸の明治30年から昭和55年における最高気温は,昭和42年8月11日の36.6度であり,最低気温は昭和27年2月5日の氷点下12.7度である。