水戸の年降水量は1,341ミリメートル(30年間平均値)で,日本各地と比較すると雨の少ない地域に属し,降雨型は表日本の関東南東型である。
日本の降水の主な原因は季節風,温帯低気圧,台風,梅雨,秋りん,雷雨などで,これらの現象の時期,影響の程度などによって地域の降水量の型がある。
降水量の年変化をみると,6月が最も多く174ミリメートル,次いで9月の172ミリメートルである。6月を中心とする多雨は梅雨,9月を中心とする多雨は台風などの強い影響によるものである。降水量が少ない時期は冬季で,1月の47ミリメートルが最低で,12月が51ミリメートル,2月が55ミリメートルである。このように夏季に多雨,冬季に少雨といった年変化を示すのは,台風・梅雨の影響ばかりでなく,季節風と地形とに関係がある。冬の季節風は,大陸から日本の山地帯を越え太平洋に吹きおろすので,日本海沿岸には積雪をもたらし,太平洋岸には乾燥風と雨の少ない晴天をもたらす。夏の季節風は太平洋から大陸に向かって吹くので,冬とは反対に太平洋岸に多くの降水をもたらしている。
日降水量が50ミリメートルを越えることは相当の大雨の日である。水戸では過去30年間において50ミリメートルを越える日の多い月は,梅雨・台風の影響のある5月から10月にかけてみられる。明治30年から昭和55年における日降水量の最大は,昭和13年6月29日の277ミリメートルであり(6月28日午前10時~29日午前10時までの24時間降水量は314ミリメートル),積雪の最大は昭和20年2月26日の32センチメートルである。