配水管

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 配水管の延長は3万2,059尺で,鋳鉄管を使用することになった。その管の口径については,「給水区域ハ,概ネ平坦ニシテ其(甚カ)敷高低ナク,水準基面上27尺ヨリ20尺ノ間ニアリ。今9吋配水管端ナル本四町目ニ於ケル地盤ハ,同基面上25尺7寸ナルヲ以テ配水池低水面トノ差ハ13尺8寸ナリ。而シテ最大流量1科(秒カ)時間零立方尺41,655(平均流量ノ1倍5割)ニ対シ,同所迄失ツ(フ)処ノ摩擦水頭ハ約3尺ナルヲ以テ,有効水頭ハ10尺8寸ナリ。其他ノ管ハ地勢ニ応シ,有効水頭8尺以上ヲ保タシムル様配水管ノ口径ヲ定メタリ」と,口径が9吋,6吋,3吋の3種とされた。

 口径9吋の管は「配水池ヨリ藤柄町・松並町・七軒町ヲ経テ本四町目迄」,口径6吋の管は

 上記管より「新町一町目蓮池町分岐点迄」と「本四町目ヨリ左折シ青物町・竹隈町ヲ経テ轟町角迄」,これらから分岐する管は全て口径3吋の管であった。

 配水管の布設は,地下平均3尺に埋設された。また,藤柄町と七軒町間の伊奈(備前)堀は,41尺の橋桁を架けて9吋管を渡している。その中央部に管内の空気を排除するため排気弁が設けられた。


伊奈堀に架かる水道橋(明治45年2月・市内紺屋町)

 消火栓は,60個とされ300尺から400尺ごとに設けられたが,水圧が低いのでポンプを使用する計画であった。共用給水栓も60個とされた。

 なお,管の修繕や分水工事のとき断水をさせる必要があって,配水管の途中に制水弁を23個,掃除栓を10個設置している。

 これら配水管関係の計数はつぎのようである。

  項目         計数

 9吋管         5,005尺

 6吋管         4,102尺

 3吋管         22,952尺

 9吋制水弁         3個

 6吋制水弁         3個

 3吋制水弁         17個

 掃除栓          10個

 消火栓          60個

 共用給水栓        60個