3 工事の方法

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 「水道布設工事設計説明書」の第2部である工事方法には,集水管および導水管,ろ過池,調整池,ポンプ場,送水管,配水本管および経路などについて,詳細に説明されている。

第2 工事方法

1 集水管及導水管

集水管ハ中洲中央ニ水流ニ併行シテ内径3尺周囲ニ小孔ヲ有スル鉄筋混凝土管ヲ空継手トシ,周囲ニ砂利及砂ヲ以テ包囲シ,地下約9尺ノ処ニ延長150間埋設シ,両端ニ人孔井(内径5尺3寸,深8尺3寸)ヲ設ケテ集水管中ニ出入ニ便ナラシム。而シテ集水管ノ中央ニハ鉄筋混凝土ノ接合井(内径9尺,深11尺)ヲ設ケ,之ヨリ水流ニ直角ニ内径12吋ノ導水鉄管ヲ地杭上ニ鉄帯ニテ固着セシメ,其ノ周囲ヲ混凝土管トシ堅固ニ埋設シ喞筒室ト連絡セシム。

2 濾過地

濾過地ハ長方形ニシテ,其ノ構造全部鉄筋混凝土ニテ成リ,水ノ漏洩ヲ防ク為底面及側面ニハ「アスファルト」ヲ塗布シ,其ノ数4,内3池ヲ常用1池ヲ掃除其ノ他ノ予備トス。猶将来ノ拡張ニ要スル余地ヲ存セシム。而シテ其ノ大サハ長100尺,幅78尺,深満水面迄8尺トス。其ノ濾過床ヲ砂利共5尺砂面上水深ヲ3尺トシ,其ノ有効面積1池ニテ7,100平方尺,3池ニテ8万人ニ要スル給水量32万立方尺ヲ濾過シ得ルモノトス。

3 調整池(浄水池ヲ兼ス)

調整池ハ其ノ数1個ニシテ,喞筒運転ヲ調整シ又浄水池ヲ兼ネタルモノニシテ,池ノ大サハ長58尺8寸,幅57尺7寸,池中3列ノ導流壁ヲ築キ,浄水ヲ迂廻流動セシム。其ノ有効容積ハ3万2,506立方尺ニシテ,人口8万人,1日給水量32万立方尺ニ対スル約2時間半ノ貯水量ヲ有ス。其ノ構造ハ全部鉄筋混凝土ニシテ底及側壁ニ「アスファルト」ヲ塗布シ水ノ漏洩ヲ防ク,又池中導流壁ヲ受台トシテ鉄筋混凝土ノ床版ヲ架シ池上全部ヲ覆ヒ,尚其ノ上ニ厚2尺ノ土ヲ敷キ均シ張芝ヲナシ,以テ塵芥等ノ侵入ヲ防キ,且日光ヲ遮断シ池内ニ植物ノ発生ヲ防キ,又床版上ニハ空気抜管ヲ樹立シ池内ノ換気ヲナサシム。

4 喞筒場

喞筒場ハ浄水工場内ニ設ケ,建坪119坪余,内47坪ハ低揚喞筒室トシ,残部ハ高揚喞筒室ニ区分ス。其ノ構造ハ鉄筋混凝土造ニシテ,室内池下ニハ喞筒井ヲ設ケ,上部ハ拱ヲ以テ覆ヒ側壁ト相俟テ喞筒及電動機ノ基礎トス。

(イ) 計画ノ大要

喞筒ハ低揚喞筒,高区高揚喞筒,低区高揚喞筒ノ3種ニ区別ス。低揚喞筒ハ集水管ヨリ来ル地下水ヲ汲ミ上ゲ濾過池ヘ送水スル用ニ供シ,濾過セル水ハ一旦調整池ニ貯ヘ必要ニ応ジ高揚喞筒井ニ流入ス。高区高揚喞筒ハ高区配水塔ヘ,低区高揚喞筒ハ低区配水塔ヘ,各送水スル目的ニテ設置スルモノトス。

(ロ) 喞筒台数及口径

本計画ハ高区ニ属スルモノハ5万人ニ対スル給水量(1人1日ノ最大給水量ヲ,4立方尺トス)20万立方尺ヲ,第1期ニハ人口2万5,000人分即チ1日10万立方尺ヲ給水シ,第2期ニハ人口3万5,000人分即チ1日15万立方尺ヲ給水シ,第3期ニハ5万人分即チ全量20万立方尺ヲ給水スルニ適当ナル大サノモノヲ設置スルモノトス。即チ10万立方尺ヲ給水スル口径6吋ノ喞筒2台,5万立方尺ヲ給水スル口径4吋半ノ喞筒2台ヲ設置ス。

低区ニ属スルモノハ3万人ニ対スル給水量(前同断)12万立方尺ヲ,第1期ニハ人口1万5,000人分即チ1日6万立方尺ヲ給水シ,第2期ニハ3万人即チ1日12万立方尺ヲ給水スルニ適当ナル大サノモノ,即チ6万立方尺ヲ給水スル口径5吋ノ喞筒ヲ予備トモ3台ヲ設置スルモノトス。

低揚喞筒ハ1日16万立方尺ヲ給水スル口径8吋喞筒2台及1日8万立方尺ヲ給水スル口径6吋喞筒2台即チ予備ヲ含ミ4台ヲ設置スルモノトス。

(ハ) 動力・喞筒及之ニ連絡スル電動機ノ馬力

本設備ノ動力トシテ電力ヲ使用シ,停電ニ対スル場合ヲ考慮シ2ケ處ノ異ナル発電所ノ送電線ニ連絡シ,万一一方ノ発電所ニ故障ヲ生ジタルトキハ,他方発電所ヨリ直ニ送電ヲ受クル様ニナシ,尚送電線路ノ故障ニ備フル為線路ヲ2回線トス。

高区高揚喞筒ハ3段式「タービン」喞筒ニシテ,口径6吋喞筒ノ水馬力ハ1台ニ付52馬力,之ニ直結スル電動機ハ1台ニ付70馬力,口径4吋半ノ喞筒ノ水馬力ハ1台ニ付26馬力,之ニ直結スル電動機ハ1台ニ付35馬力トス。

低区高揚喞筒ハ2段式「タービン」喞筒ニシテ,口径5吋喞筒ノ水馬力ハ1台ニ付21馬力,之ニ直結スル電動機ハ1台ニ付30馬力トス。

低揚喞筒ハ1段式渦巻喞筒ニシテ,口径6吋ノ水馬力ハ9馬力,之ニ直結スル電動機ハ1台ニ付13馬力トス。

口径8吋ノ喞筒水馬力ハ17馬力,之ニ直結スル電動機ハ25馬力以上ヲ表記スルコト左ノ如シ。


[表]

5 配水塔

高区配水塔ハ其ノ数1個全部鋼鉄製トシ,8本ノ長柱ニテ水槽ヲ支持ス。尚将来1個ヲ増設シ得ル余地ヲ準備ス。水槽ハ円筒形ニシテ直径34尺,高20尺,底部半球形ニシテ全水深30尺5寸其容積2万7,994立方尺,給水人口5万人ニ対スル3時間余ノ貯水量ヲ有ス。塔柱ハ8本ニシテ混凝土基礎上ニ樹立シ,基礎ヨリ水槽円筒ノ柱ニ釘着セル迄ノ高サ100尺各柱共10分ノ1傾斜ヲ有ス。而シテ全区ヲ5段ニ区画シ,各段毎ニ水平杭圧材及対角杭張材ヲ以テ各柱ヲ連繫ス。水槽ノ満水面迄ノ高サハ地盤上120尺アリ。水槽内及円筒ノ周囲ニハ階段ヲ付シ水槽上部ニ達セシメ,又水槽内部ニモ出入スルコトヲ得,其ノ屋根ハ8個ノ横桁及8個ノ工形桁ヨリ成リ,浅ク円錐形ニシテ其ノ勾配ハ30度表面ハ銅板張トス。低区配水塔ハ其ノ数1個ニシテ,基礎及円塔ハ鉄筋混凝土造トシ,上部水槽ハ鋼製トシ,尚将来1個ヲ増設スル余地ヲ存セシム。其ノ形状ハ円筒形ニシテ直径29尺,高22尺底部ハ半球形ニナシ,中央ノ水深4尺,全水深24尺其ノ容積1万2,625立方尺,即チ給水人口3万人ニ対スル2時間半分ノ貯水量ヲ有ス。。構造ハ板鋼及山形鋼ヨリ成リ高30尺ノ円塔ノ上部ニ支持サレ,其ノ満水面ノ高サハ地盤上50尺トス。水槽円筒ノ周囲ヲ廻リ廻廊ヲ設ケ,円塔内部ヨリノ階段ニヨリテ接続シ水槽周囲ヲ一周セシム。廻廊ヨリ上部ハ水槽ノ一側ニ沿ヒ階段ヲ付シ水槽上部ニ達セシメ,又水槽内ニ出入スルコトヲ得,其ノ屋根ハ8個ノ構桁及其ノ中間ニ於テハ工形鋼ヨリ成ル円錐形ニシテ,其ノ勾配ハ30度表面ヲ銅板張トス。水槽下部円塔ハ鉄筋混凝土ニシテ外径28尺5寸,内径25尺5寸,厚1尺5寸面垂直ニシテ外部ニ6ケ処ノ柱形ヲ設ケ,円塔内ハ鉄筋混凝土桁及床版ヲ以テ2階ニ分チ,事務所又ハ倉庫ニ使用スルコトヲ得セシム。

6 送水鉄管

喞筒場ヨリ高区配水塔ニ至ル送水管ハ一条ニシテ,其ノ内径18吋延長411間余ナリ。又低区配水塔ニ至ル送水鉄管ハ一条ニシテ,其ノ内径14吋延長2,977間ナリ。

7 配水本管及経路

高区配水本管ハ内径18吋鉄管一条ニシテ,配水塔ヲ出テ計量器ヲ経由シ,歩兵第2連隊脇ヨリ県道ニ出テ一直線ニ馬口労町一丁目角ニ至リ2条トナリ,一条ハ口径12吋管トナリ,下金町ヲ経テ次第ニ10吋,8吋ト漸次縮少シ北三ノ丸ニ至ル。他ノ一条ハ口径14吋管ニシテ馬口労町片町,向井町片町ヲ経テ大工町広小路ニ出テ此処ニテ久保町,元山町方面ニ8吋管二条ヲ分岐シ,本管ハ口径12吋管トナリテ泉町ヲ経テ次第ニ10吋,8吋管ニ漸次縮少シ南町郵便局脇坂ヲ下リ市役所正門前ニ至リ,先ノ北三ノ丸ニ至リシ8吋管ト相連絡ス。

配水支管ハ口径3吋,4吋及6吋トシ,幹線ヨリ漸次分派シ各方面ニ配水シ,同時ニ各管ヲ連絡シ防火又ハ給水ニ支障ナカラシム。而シテ配水管ノ種類及其ノ延長ハ左の通リトス。

 口径  3吋管  延長 1,429.8間      口径  10吋管  延長  582.8間

 口径  4吋管  延長 12,633.5間      口径  12吋管  延長 1,169.9間

 口径  6吋管  延長 2,628.6間      口径  14吋管  延長  370.9間

 口径  8吋管  延長 1,788.9間      口径  18吋管  延長 1,618.6間

                                 計  22,223.0間

低区配水本管ハ内径14吋一条ニシテ,配水塔ヲ出テ計量器ヲ経由シ刑務所側坂路ヲ下リ,分岐シ内一条ハ口径10吋管トナリ杉山通ヲ経テ日赤病院前ヨリ川崎町ヲ給水シツツ8吋管ニ縮少シ,蘋町ヨリ蔵前ニ至ル。他ノ一条ハ口径12吋トナリ大手橋下道路ヲ南行シテ柵町ニ出テ,此ノ処ニテ水戸駅前及銀杏町方面ニ口径8吋管二条ヲ分岐シ,本管ハ東柵町根積町ヲ経テ本一町目角ニ至リ松並及台町方面ニ給水スル為口径8吋管ヲ分派ス。本管ハ口径10吋管ニ縮少シ,本町通ヲ東行シ8吋管トナリ細谷新町,常磐線踏切ニ至リ,先ニ分派セル蘋町ノ8吋管ト連絡セシム。

配水支管ハ口径3吋・4吋及6吋トシ,各幹線ヨリ漸次分派各方面ニ配水シ同時ニ各管ヲ連絡シ,給水又ハ防火ニ支障ナカラシム。而シテ配水管ノ種類及其ノ延長ハ左ノ通トス。

 口径  3吋管  延長   789.3間      口径  10吋管  延長 1,295.2間

 口径  4吋管  延長  6,969.3間      口径  12吋管  延長 1,162.5間

 口径  6吋管  延長  2,063.5間      口径  14吋管  延長  216.0間

 口径  8吋管  延長  2,088.2間

                         計         14,584.0間

                         合計        36,807.0間

                            此里  17里10町27間ナリ。