那珂川の中州砂層に浸透する伏流水を利用することになり,その施設を渡里村大字渡里字芦山地先に設けることになった。
集水管は,口径3尺の多数の小孔を作られた鉄筋コンクリート管(多孔ヒューム管)150間を空継手とし,これを6尺角の木樋中に納めてろ過砂利や砂で固定する。そして中州の地下約13尺で中央に向かって,1,200分の1の勾配で河川の本流に並行して埋設する。こうして中州の砂れき層より管中に浸透した伏流水を,浄水場に流入させる。このため,埋設された集水管は重要な機能を持つことになり,常時厳重に管理する必要があった。その管理のできる施設として,埋管の両端に人孔井,中央部には接合井を設ける。
人孔井と接合井の計数は,つぎの表のようであり,普段は出水などによる汚水の浸水を防止するため鉄製のフタで密閉されている。接合井は,2系統の集水埋管より流入する水流の中に混じり込んだ細砂を沈でんさせる砂溜兼用でもあり,ポンプ場に導水する導水鉄管の接合部分ともなる3つの機能を有する。
集水埋管に流入した原水は接合井から浄水場内低揚ポンプ吸水井に導かれる。その導水鉄管は,内径22吋の鋳鉄管が使用され,接合井より低揚ポンプ吸水井まで800分の1の勾配で延長113間87が布設される。管は周囲が厚さ1尺のコンクリートで保護されるが,とくに河川敷では長さ1間毎に末口5寸長さ15尺の松丸太を基礎杭に鳥居形に打込んで,これに鉄管台木を取付けて固定される。また,導水鉄管の両端には制水弁が付けられ,必要時にポンプ井に送る水流を調整する。