浄水場には大きくろ過池と調整地・ポンプ場の3施設が作られる。揚水された原水は,20吋鉄管で量水井に送られる。この井の上部側面は花崗緑石でつくられ,全面は鋼板によって覆われる。内部には,水質を良くするためにコークス層がつくられ,流量を測定する装置の量水堰や水位指示記録計が設けられる。
ろ過池は,内法長さ100尺,幅80尺そして平均深さ8尺(ろ過層厚さ5尺,その砂面上に水深3尺)で,有効面積8,000平方尺という長方形とした。これを3池連接して築造することにしたので,有効面積は2万4,000平方尺となる。また,満水時の水面標高28尺7寸で,ろ過速度の最大は1昼夜20尺となり4万8,000立方尺の浄水ができる。
池の構造は,鉄筋コンクリート製とし,基礎は松丸太末口5寸,長さ9尺から12尺のものを杭として打ち,その間に厚さ8寸の玉石入コンクリートを流す。これらの上に8寸5分の厚さで鉄筋コンクリートを流し,そこに厚さ5分のアスファルトを重ね,さらに厚さ3寸にコンクリートを塗るなど漏水の防止に注意している。側壁や隔壁は平均8寸3分の厚さになるように鉄筋コンクリートを打ち,上部は花崗岩で形成し,内壁面の上部はレンガ半枚張り,下部は1対3配合によるモルタルを塗布する。なお,温度の変化や地震などによる亀裂防止のため,伸縮度の大きい鉛板を周囲壁や池底の接合部に入れたり,レンガの裏にはアスファルトを塗るなどの方法を工夫している。
池底は,中央の導水渠に向かって200分の1の勾配の傾斜にコンクリートで作られ,その上にろ過された水が流れ集水溝になるようにレンガが敷かれた。導水渠は幅が2尺,平均深さ1尺2寸で,流入口から流出口に200分の1の勾配の傾斜で作られ,上部は鉄筋コンクリートのフタが付けられている。流入口の鉄管の先端は鐘口曲管が上向きに取付けられ,周囲の砂層の上にも敷石が置かれて原水の流入によって砂面に変動ができないように工夫されている。
流出口には,内法が長さ9尺・幅が6尺の鉄筋コンクリートの調整井が作られ,その中央に隔壁が設けられて金属製孔口を取付ける。ここに電気的水位標示器が置かれて水位の差を調査し,ろ過速度の調整をすることになる。
調整池は,ポンプの揚水を調整したり浄水池を兼ねるようになっていた。規模は,長さ57尺5寸の正方形とし,床版上部より基礎上端までの深さを16尺7寸2分,水深は最大13尺3寸2分(有効12尺7分)に作られ,池の中に3列の導流壁が設けられて水を迂曲流動するようにする。その有効容量は3万9,001立方尺で,計画給水人口8万人の1日最大給水量32万立方尺に対しては3時間程度の貯水量となる。
池は鉄筋コンクリート造りで,底部基礎は生松丸太の末口5寸で長さ9尺の杭を打ち,その間に厚さ5寸の玉石入りコンクリートを厚さ3寸流し,これに防水用にアスファルトを塗る。池底の四周側壁・柱や導流壁の下部は厚さ1尺5寸,その他は厚さが1尺8分の鉄筋コンクリートで,それをモルタルで化粧する。側壁は平均厚さ1尺1寸の鉄筋コンクリートとし,その一定間隔ごとに扶壁を設置する。これら側壁外面と扶壁には,計画地盤以下1尺5寸まで基礎から連続して防水用のアスファルトを塗り,その上に厚さ3寸のコンクリートを打ち,その上をモルタルで化粧する。柱は9本で,心々14尺5寸,1尺5寸角のモルタル仕上げとする。
導流壁は厚さ5寸の鉄筋コンクリート製で,満水面より5寸高くなるようにし,モルタル化粧をする。なお,中間に主桁支持用として6寸角の支柱を設ける。主桁は,高さ2尺8寸,幅6寸7分で柱や周壁によって,小桁は高さ1尺8寸3分・幅6寸7分で主桁や杭・周壁によって支持される。
床版は,表面をモルタル化粧した厚さ4寸3分で,排水機能を高めるため中央より両側に向かって200分の1の勾配傾斜をもつ。床版上は,四周に排水玉石を詰め,その外側は良質の土砂を厚さ2尺盛り上げ芝を張る。こうして,塵埃の侵入を防ぎ,日光を遮断して微生物の発生を抑え,浄水を保つ。池内の空気の清潔を保持するため,15個の通気筒を,掃除などのために1個の人孔口を設置する。この外に,流入口や流出口の管や余分な水の排水用管なども設ける。
ポンプ場は鉄筋コンクリート造りで,低揚ポンプ室(10間5分×5間5分)と高揚ポンプ室(16間×4間5分)・付属事務室よりなる。室内地下はポンプ吸水井とし,床上にポンプと電動機を設置する。ポンプ装置は,集水管よりの伏流水を吸水井より汲み上げてろ過池に送水する低揚ポンプ,ろ過された水を配水塔に揚水する高揚ポンプである。高揚ポンプは,高区配水塔に揚水する高区高揚ポンプと低区配水塔に揚水する低区高揚ポンプの2系統があるので,ポンプは3種となる。低揚ポンプは1日24万立方尺を給水する口径9吋ポンプ1台,1日12万立方尺を給水する口径7吋ポンプ2台の合計3台を設置する。その計数は吸水位が0.00尺送水位が30.5尺,実際水嵩が30.5尺,送水量が毎分333.3立方尺と計画された。
高区給水は5万人体制を目的とし,1日30万立方尺を供給できるポンプ施設を設ける。設備の建設は3回に分け,第一期は人口2万5,000人分の15万立方尺を給水できる口径8吋ポンプを1台,第二期は3万5,000人分21万立方尺を給水できるように口径6吋ポンプを1台増設,第三期には計画全量を給水できるように口径6吋ポンプを1台増設する。こうして計数的には吸水位を最低14.0尺,送水位を最高232.5尺,実際水嵩218.5尺,送水量を毎分208.3立方尺とするように計画された。
低区高揚ポンプは,3万人給水体制で,1日18万立方尺を目標とした。第一期は1万5,000人分の9万立方尺を給水できるように,口径6吋ポンプ1台,第二期は3万人分18万立方尺が給水できるように口径6吋ポンプを1台増設する。計数的には,吸水位を最低14尺,送水位を最高149.5尺,実際水嵩135.5尺,送水量を毎分125立方尺とする計画であった。
以上の設備の動力は電気であるが,発電所などの故障による停電があっては給水が不充分となるので,2か所の発電所系統の送電線と直結させていた。電力は,3相60サイクル,電圧は3,300ボルトとされた。これに利用されるモーターは,高区高揚ポンプの口径8吋ポンプ1台で毎分125立方尺の水を水嵩222尺に揚げる水馬力は52.4馬力で,モーター性能効率を73パーセントと推定すると必要馬力は71.8馬力となる。この計算に余力を持たせて,実際のモーターは85馬力を設置することになった。その外の4種類のモーターについては,表のような計算により大きさを選定している。