○配水塔

309 ~ 333

 配水塔は,上市地区を対象とする高区給水区域用と下市地区を対象とする低区給水区域用の2種類ある。

 高区配水塔は,鋼鉄製で,8本の柱塔によって水槽を支持する。水槽は円筒形で,直径34尺,高さは20尺3寸8分,底部は半球形で中央の深さ17尺,水深は35尺6寸あって水の容積は27.241立方尺,給水人口5万人分20万立方尺に対しては3時間10分程度の貯水量である。構造は鈑鋼および山形鋼よりなり,満水面の高さは基面点上232尺5寸とされる。なお,水槽への引入・引出および余水流出管とも内径18吋とし,引出管は底部の中央に取り付ける。


高区配水塔付近平面図

 水槽周囲には幅4尺の廻廊を設置し,支柱に階段を付けて昇降する。なお,廻廊からは水槽頂部に幅1尺4寸の鉄製ハシゴを設ける。これによって,水槽の屋根に作られた小出入口からその内部に入れるようにする。内部は,掃除などに使用するために満水面付近に踊場を設置し,底部にも降りられるようにハシゴが作られる。水槽の頂部の屋根には空気の流通のために換気塔が設けられ,その中央に避雷針が取付けられる。8本の柱塔は,各柱ともに外部に10分の1の傾斜が付けられ,高さ100尺の地点に水槽を釘着する。

 高区配水塔建設工事仕様書

 第1 総説

第1条 本配水塔ハ水戸市外渡里村字小山ニ建設スヘキモノニシテ其ノ水槽ノ形状寸法ハ別紙図面ノ通リ真円筒形トシ鋼板ヲ鋲綴際ハ衝頭手トシ水平接際ハ累頭接手トス

第2条 塔柱ハ其脚底礎石ノ上端ヨリ柱頭円形綴桁迄ノ高サハ100呎ヲ有シ5階ニ分格シタル8本ノ鋼柱ヨリ成リ其ノ各階ハ水平抗圧材対角抗張材ヲ具フルモノトス

第3条 各柱ハ全長ヲ通シテ直線形ニシテ其ノ建設法ハ竪勾配垂線100呎ニ付横距離10呎トス

第4条 塔柱外部ニ沿ヒ鋼製昇降用階段ヲ鋲綴シ柱頂廻廊ノ床中ニ設クル通路ニ達スルモノトス

第5条 各柱ハ其ノ頂頭ニテ水槽ニ鋲綴シ其ノ脚底ハ強固ノ混凝土基礎上ニ据付ケラレタル花崗石上ニ碇着スルモノトス 但シ基礎工事並控繫用「アンカーボールト」ハ本工事外トス

第6条 各柱建設ノ際ハ基礎石ト柱脚底トノ間ニハ厚1/8吋以上ノ鉛板ヲ敷設スヘシ

第7条 請負者ハ工作着手前設計図材料表ヲ充分照査シ其ノ正誤ヲ確ムヘシ工作ハ設計図ノ指示スルトコロニ拠リ最モ正確丁寧ニ行フヘシ

 屋根

第8条 水槽上屋根ハ「ドーム」式ニシテ8個ノ肋材ヲ以テ構成シ其中央高ハ10呎トシ其頂点ニハ内径4呎ノ換気室ヲ設ケ各肋材ノ中間ニハ更ニI形桁ヲ架シ其ノ間ハ縦横ニ山形鋼ヲ以テ連絡シテ素構ト為シ其ノ表面即チ屋背面ハ毎平方呎120匁付大略B.W.G.No.24ニ相当スル銅板張リトシ銅板ノ接目ニハ「アスファルト,フェルト」ヲ挟ミ銅板畳重ノ幅ハ横及縦ノ方向共1吋以上トシ少クモ6吋間隔ニ直径2分ノ銅鋲綴ヲ為シ其ノ頭部及銅板重ネ外端ハ半田付ヲ為スヘシ

   水槽ノ頂上ニ当ル屋根ニ人ノ出入スヘキ2呎角ノ人孔ヲ設ケ鋼戸ヲ蝶番ニテ釣込ミ鋼戸ニハ鉄鎖ヲ付シ堅牢ナル真鍮製ノ鍵ヲ付スヘシ

   屋根用銅板ハ大正15年商工省告示第30号銅板規格ニ拠ル

 梯子

第9条 水槽周囲廻廊ヨリ屋根上人孔ニ至ル鋼梯及人孔ヨリ水槽内ニ下降シ得ヘキ鋼梯ヲ設ケ廻廊及屋根溝形鋼材並水槽底板ニ鋲綴セル山形鋼ニ固定スルモノトス

第10条 水槽屋根ニハ雪止兼足止リトシテ山形鋼ヲ図示ノ通リ鋲綴スヘシ

 円形版桁

第11条 水槽円筒ノ塔柱ニ釘着サルル部分ハ両柱間円筒側板ノ1部ニ山形鋼ヲ取付ケ円形版桁トス

   尚柱中間ニハ山形鋼ヲ以テ補鋼材ヲ鋲綴スルモノトス

 廻廊

第12条 円形版桁ノ外周ニ山形鋼及鋼板ヲ以テ40箇所ノ持送ヲ設ケ鋼板ニテ床張シ廻廊トス

第13条 塔柱ノ頂上ニ当ル廻廊床板ニ人ノ昇降スヘキ通路ヲ設クヘシ

第14条 廻廊ノ外周ニハ図示ノ如ク床版上高2呎ノ欄干ヲ設クヘシ

 半球形槽底

第15条 水槽ノ底部ニハ半球形ニシテ特別ニ彎曲シタル半球外皮形及半球頂形ノ鋼板ヲ以テ鋲綴シタルモノトス

 引入管引出管及溢水管

第16条 半球形槽底ニハ補強シタル管孔ヲ穿チ之ニ鋳鋼製異形管ヲ鋲綴シ其ノ直下ニハ伸縮管ヲ接続シ槽底ヨリ上部ハ所定ノ高サニ鋼管ヲ取付槽底ヨリ下部ハ混凝土ノ基礎上ニ据付タル鋳鉄製彎曲管ニ連続シ終ルモノトス

    堅設ノ鋼管ハ水槽内1箇所塔柱3箇所ニ於テ射心形ヲ為シ円釘ニテ振止メヲ設クヘシ

    管ノ接合ハ厚1分ノ鉛板ヲ「パッキン」トシ7分ノ「ボールト」ヲ以テ緊結スルモノトス尚鉄管ハ図示ノ如ク電気熔接ニ依リ工作スルモノトス

第17条 前各条ハ構造ノ概要ナルヲ以テ各部詳細ハ図面ヲ参照シ尚仕様書並図面ニ明示セサル事項ト雖構造上当然必要ナルモノハ請負費ヲ以テ施行スルモノトス

 第2 材料

第18条 本配水塔建設工事ニ使用スル鋼材ハ「シーメンス,マルチン」又ハ開爐式ニ依リテ製造セルモノタルへシ

第19条 鋼材ハ八幡製鉄所ノ製品ヲ使用スヘシ若シ上記以外ノ鋼材ヲ使用セムトスルトキハ予メ何製鉄所ノ製品ヲ使用スヘキカヲ申出テ本市ノ承認ヲ受ケ爾後認可ヲ経スシテ其ノ製鉄所ヲ変更スへカラス

第20条 鋼材ハ総テ無疵ニシテ真直且断面均一ニシテ不充分ノ鈑錬其ノ他ノ欠点ナク表面麗潔ニシテ平滑ナルヘシ

第21条 展成鋼ハ其ノ断面形状ニ於テ日本標準規格ノ公差ハ許可スルト雖夫ヨリ減少スルヲ許サス設計図面ニ示スモノト異リタル形状ノモノヲ使用セムトスルトキハ予メ其ノ形状ヲ申出承認ヲ受クヘシ但シ請負人ノ都合ニヨリ増加シタル重量ニ対シテハ請負費ヲ増加セサルモノトス

    本設計内訳書中ノ鋼材ハ総テ吋封度単位ニテ示セルモ都合ニヨリ所定ノ吋数ニ最モ近キ粍数ニ相当スルモノヲ使用スルコトヲ得但シ此ノ場合ハ粍数ニ対スル標準重量ヲ以テ重量ノ計算ヲ為シ請負内訳単価ニ依リ精算スルモノトス

第22条 鋼材ハ総テ左記強度及品質ヲ有スルモノタルへシ

   但シ使用鋼材カ八幡製鉄所ノ製品ニシテ同所ニ於テ本条ノ強度及品質ヲ有スル旨ノ証明アルモノハ強度試験ヲ省略スルコトアルヘシ

   1 綴釘用以外の鋼材

     イ 極抗張強度 毎平方吋ニ付6万封度以上7万封度以下

     ロ 弾性限度 極強度ノ2分ノ1以上

          長8寸ノ試験材ニ於テ破断ノトキ伸長割合100分ノ20以上

   2 綴釘用鋼

     イ 抗張強度 毎平方吋ニ付5万封度以上6万封度以下

     ロ 弾性強度 極強度ノ2分ノ1以上

          長8吋ノ試験材ニ於テ破断ノトキ伸長割合100分ノ26以上

   鋼材ノ厚サ5/16吋以下ノモノハ1/16吋ヲ減スル毎ニ前項規定ノ伸長割合ヨリ100分ノ2.5ヲ減スルコトヲ得又3/4吋以上ノモノハ1/8吋ヲ増ス毎ニ同100分ノ1ヲ減少スルヲ得

第23条 鋼材試験ノ際試験材ノ中央3分ノ1以下ノ点ニ於テ破断セルモノハ廃棄シテ更ニ他ノ材片ニ就テ試験スヘシ

第24条 彎曲試験ハ各鋼材共厚1吋以下ノモノハ常気温ニ於テ試験材ノ厚ノ2倍ニ等シキ直径ヲ以テ180度ニ彎曲スルモ其ノ外辺ニ破断ノ徴ヲ表ハスへカラス

第25条 L形鋼ハ厚サ3/4吋以下ノモノハ常気温ニ於テ鎚撃シ両脚ヲ扁平ナラシメ又厚1/2吋以下ノモノハ同ク両脚ヲ密接セシムルモ破断ノ徴ヲ表スへカラス

第26条 鋼材ハ2個ヲ鈑合シタルトキ其ノ鈑接ノ部ニ於テ工作熱度ニテ直角ニ彎曲スルモ其ノ外辺ニ破断ノ徴ヲ表ハスへカラス

第27条 綴釘用鋼ハ1点ニ刻目ヲ付シ其ノ点ニ於テ円桿ノ径ニ等シキ直径ヲ以テ彎曲スルニ刻目ノ点ヨリ漸次ニ破断シ其ノ断面ハ質緻密ニシテ細キ光沢アル等斉ナル破断面ヲ為スヲ要ス

第28条 綴釘帽ハ之ヲ鎚撃シテ厚1/8吋ニ至ラシムルモ其ノ周辺ニ罅裂ヲ生スへカラス

第29条 主任者ハ各種材料中ヨリ任意ニ若干ノ片ヲ選出シテ其ノ強度及品質ノ試験ヲ為スヘシ但シ試験材ハ大略鋼材2屯ニ付1個ノ割合トス

第30条 試験材ノ製作及試験ニ要スル費用並鋼材全部ニ就テ其ノ寸法品質等ヲ検査スルニ要スル費用ハ総テ請負人ニ於テ負担スヘシ

第31条 試験ハ工作前之ヲ行ヒ合格ノ通知ヲ受ケタル後工作スヘシ現場納入品ニシテ不合格ノモノハ直ニ場外ニ搬出シ代品ヲ納入スヘシ擯却セラレタル材料ハ如何ナル理由アルモ再試験ヲ請求スルコトヲ得ス

第32条 鋼材ニシテ本市ノ施行スル検査又ハ試験ニ合格セルト否トニ拘ラス其ノ試験ニ要シタル材料ノ代価ハ全部請負人ノ負担トス

第33条 前各条ニ記載スル事項ノ外総テ日本標準規格第20号ヲ寸法及重量ノ公差ハ日本標準規格第24号ヲ準用スルモノトス

 第3 製作工事

第34条 鋼材ハ加工セルト否トヲ問ハス総テ地上ヨリ相当高サノ台上ニ保存シ塵埃,油類等ノ異物ニ依リ汚損セシムルコトナク出来得ル限リ腐触防止ノ方法ヲ講スヘシ

第35条 鋼材ハ加工ニ際シ充分真直ナルヲ要ス使用前軽易ナル屈曲ヲ為シタル鋼材ハ予メ材質ヲ害セサル方法ニ依リ曲リノ整正ヲ為スヘシ但シ甚シキ扭レ又ハ曲リヲ為シタル鋼材整正ノ使用ハ之ヲ禁止ス

第36条 製作ハ最モ丁寧ニシテ各部ノ形状寸法ハ精密ナルヲ要ス特ニ見エ掛ノ部分ノ仕上ケハ丁寧ニ手際良ク行フヘシ

第37条 鋼板ノ厚ノ薄キモノハ剪断機ニテ裁断シ得ルモ厚3/8吋以上ノモノハ端辺ヲ削平機ニテ斜角ニ削ルヘシ

第38条 鋲ハ其ノ材片ノ厚カ鋲ノ公称直径以下ナルトキハ予メ小サク「パンチ」シ然ル後仕上リノ大ニ「リーム」スルカ又ハ「ドリル」スヘシ「ラテラリ」及「スウエー,ブレーシンク」其ノ他主要部材以外ノ部材ノ鋲孔ハ鋼材厚カ鋲ノ公称直径以下ニシテ主任者ノ許可アルトキハ仕上リ大ニ「パンチ」スルコトヲ得孰ノ場合ニ於テモ鋼材ノ厚カ鋲ノ公称直径ヨリ大ナルトキハ鋲孔ハ「ドリル」スヘシ

第39条 鋲孔ヲ仕上大ニ「パンチ」スルトキ鋲孔ノ直径ハ鋲公称直径ヨリ1/16吋大ナルヘシ但シ「ダイス」ノ直径ハ「パンチ」ノ直径ヨリ3/32吋以上大ナルへカラス

    「パンチング」ハ手際ヨク行ヒ鋲孔ノ周囲ニ裂ケ目「バリ」ノ附着等アルへカラス

第40条 水槽用鋼板其ノ他重要ノ部材ハ常気温ニ於テ規定形状ニ彎曲スヘシト雖,小部材ハ加熱シテ彎曲シ焼鈍シヲ要セス但シ鋼材ノ全強度ヲ必要トスルモノニ加熱シタル場合ハ必ス之カ焼鈍シヲ為スヘシ

第41条 綴釘ハ総テ機械ヲ使用シ圧縮ノ方式ハ圧搾空気鎚ニ依リテ之ヲ鉸綴スヘシ但シ工事上ノ都合ニ依リ已ムヲ得サルトキハ主任者ノ承認ヲ受ケ他ノ方法ニ依ルコトヲ得

第42条 材片ノ衝接合ニ於テ接合面ハ精確ニ切断シ平坦ニ削リタル上両辺ヲ密着セシムルヲ要ス特ニ抗圧材片ニ於テハ両面ヲ密着シ材片釘着後接触面ニ於テ圧力ヲ完全ニ伝達シ得ル様ニスヘシ

第43条 重畳接合スヘキ鉄材ハ総テ銹其ノ他ノ附着物ヲ除去シ検査ヲ受ケ錆止「ペイント」ヲ塗リタル上之ヲ重畳接合スヘシ

第44条 接合スヘキ鉄材ノ綴釘孔ノ位置ハ極メテ精密ニ穿チ接合ニ際シ両孔ノ偏倚セサルヲ要ス故ニ必要ニ依リテハ数個ノ鉄材ヲ重畳鑽孔セシムルコトアルヘシ

第45条 塔柱及集成部材ハ建設現場ニ於テ行フヘキ連続工ヲ除クノ外全部鋲綴シ且其ノ連続工ニ用ウヘキ鋲孔ヲ精確ニ穿鑿スヘシ

第46条 綴釘鉸綴ノ際ハ孔ヲ完全ニ填充スルヲ要ス又帽ト其ノ接合スル鉄材トノ間ニ空隙アルへカラス而シテ帽ノ中心点ハ釘ノ中心線内ニアルヲ要ス

第47条 綴釘ハ鉸綴ノ後各個ニ付位置打撃其ノ他ノ試験ヲ為シ検査ヲ施行スルモノトス不合格ノモノハ直ニ削除シ合格セルモノハ剰余ノ鉄屑ヲ除去シ整形スヘシ

第48条 鋼材ハ特別ナル許可ナキ限リ鍛接スへカラス

第49条 床板ノ表面ハ平担ニシテ且平滑ニ削ルヘシ

第50条 鋼材ノ製作竣功後部材ハ総テ搬出前清掃シ泥塵埃等ヲ除キ錆止「ペイント」ヲ塗抹スヘシ

第51条 組立テ各材片ニハ記号及番号ヲ付シ現場組立テノ際錯誤ナカラシムル様ニスヘシ

 第4 建設現場組立

第52条 組立ニ要スル仮構ノ足場桟橋等ハ鋼材ノ組立テ材料運搬等ニ危険ノ虞無キ様入念ニ仕上ケ殊ニ仮構ハ工事中ノ最大荷重ニ対シ毫モ沈下ノ虞ナキ様設計施行スヘシ此等ノ構造及施行法ハ施行前設計図ヲ提出シ主任者ノ承認ヲ受クヘシ

第53条 仮構ハ前条ニ依リ建設シタル後尚動揺其ノ他不充分ノ点アルトキハ相当材料ヲ増加シ堅牢ナラシムへシ

第54条 仮構ハ鉄材組建工事中常ニ相当ノ注意ヲ以テ修繕シ工事中危険ナキヲ期スヘシ

第55条 仮構ハ本工事竣功後水圧試験ニ合格シタル後速ニ取払フヘシ

第56条 鉄材組建ニ当リ若各材ノ綴釘孔ニ一致セサルモノアルトキハ之ヲ調整スヘシ組建用仮締「ボールト」ハ綴釘ト同径ニシテ綴釘数ノ5割以上ヲ用ヰ緊結スルヲ要ス

第57条 現場綴釘鉸綴ニハ圧搾空気鎚ヲ使用スヘシ若シ已ムヲ得ス手鎚ヲ使用スル場合ハ主任者ノ承認ヲ受クヘシ

   製作工事中ニ規定セル綴釘鉸綴ニ関スル条項ハ総テ組建工事ニ適用ス

第58条 鋼材ノ取扱及運搬ハ丁寧ニシ製作材片ヲ屈曲又ハ毀損セシムへカラス

 第5 「ペイント」塗工

第59条 水槽ノ内部及屋根ノ裏面並鉄管類ノ表面全部ニハ純「アスファルト」ヲ精製セル玄光ト称スル塗工料ヲ2回塗スヘシ

第60条 前条ノ外鋼材ノ表面塗布ニ使用スル光明丹及「ペイント」ハ日本ペイント株式会社特製上等品又油ハ同社製煮亜麻仁油或ハ是ト同質以上ノモノニシテ他物ヲ混和セサルモノタルヘシ

第61条 「ペイント」塗布ニ当リ鋼材表面ハ之ヲ清掃シ乾燥セル布ヲ以テ良ク其ノ表面ヲ拭ヒ刷毛斑色等ナキ様充分丁寧ニ塗上クヘシ

第62条 鋼材表面ニ銹錆アルトキハ「スクレーパー」又ハ「ワイヤーブラッシュ」ノ類ヲ以テ充分ニ削リ落シ地金ヲ現出セシメ監督員ノ検査ヲ受クヘシ

第63条 錆落シ終リタル所ハ即日下塗リヲ為スヘシ

    若シ已ムヲ得サルトキハ油ヲ塗リ置キ「ペイント」塗布ノ際之ヲ拭ヒ取ルヘシ此ノ際表面ニ更ニ錆ヲ生シタルトキハ之ヲ除去スヘシ

第64条 在来ノ錆止メ「ペイント」及錆ヲ削落スニ当リ決シテ薬剤ヲ使用スへカラス

第65条 「ペイント」ノ調合割合ハ監督員ノ指揮ニ従ヒ下塗リ光明丹1回中塗及上塗ハ監督員ノ指示スル色「ペイント」各1回塗ト為スヘシ

第66条 床版ノ下面ニハ脂及白鉛ヨリ成ル「ペイント」ヲ塗布スヘシ

第67条 1回塗布シタル「ペイント」ノ全ク乾燥シタル後ニ非サレハ次回ノ塗布ヲ為スへカラス「ペイント」ノ乾燥ヲ促進スル目的ヲ以テ乾燥剤ヲ混入スへカラス

第68条 雨天烈風或ハ厳寒ノ日ハ「ペイント」塗ヲ為スへカラス

 第6 避雷針工事

    避雷針    1個所

         突針   大1個,小4個

         導線   延長 2000呎

         地中銅板     1個

第69条 突針部ハ純銅ヲ以テ製作シ主針ハ長1尺直径6分トシ頂上ハ90度ノ傾斜角度ヲ保ツ円錐形トシ主針頂上ヨリ1尺下部ニ銅球ヲ作リ之ニ長5寸直径5分頂上ノ尖端ヲ鋭クシタル4個ノ枝針ヲ螺旋ニシテ銅製蛇目形ノ座ヲ以テ締固ムヘシ但シ主針及枝針等ハ磨キ仕上ケトス

第70条 主針ノ尖端ハ酸化ヲ予防スル為ノ頭部約1寸5分純金(又は「プラチナ」)1本ニ付3匁ツゝ,乾導法ニ依リ焼付ケヲ為スヘシ特ニ主針ノ円錐尖及枝針ノ鋭尖端ハ一層注意シテ厚ク焼付ケヲ為スヘシ

第71条 主針ヨリ地中板迄ノ導線ハ純銅ノ90「パーセント」以上ノ導電力ヲ有スルB.W.G12番線13条撚リヲ使用シ上端主針部トノ接続線ハ撚線3,4寸ヲ解キ各条ヲ直線ニ延ハシ清潔ニ磨キ上ケ黄銅蠟ヲ以テ1個ノ丸棒ニ堅メ鉄管(突針ノ幹)横面ノ孔ヨリ差廻シ主針銅球下端内部ヘ螺旋ニテ止メ焼キナカラ完全ニ取付クヘシ

    主針ト鉄管トノ接合ハ2重鉄管ニシテ両端逆返螺旋トシ上下同時ニ締堅ム導線繫キ鉄物ハ錬鉄ニテ蝶番形ニ造リ6尺間隔以内及折曲リ個所ヘ打チ付ケ銅線ニテ緊着シ屋根上端ノ繫キ鉄物ハ銅又ハ鉛小板ヲ以テ1尺間隔以内ニ押ヘ屋根板(金属板葺)上端ヘ半田付ニシ尚取付ニ際シ直角ヲ越エ鋭キ曲ケ方ヲ避ケ又寒暖ヨリ起ル伸縮ヲ妨ケサル様留メ方シ地中板(純銅ニシテ総面積12平方呎厚1/16吋以上タルヘシ)純銅厚5厘3呎×4呎ノ1枚板ヲ用井導線トノ接続ハ地中板ノ上辺ニ導線ヲ差通シ其ノ端ヲ解放シ各条ハ直線ニ延ハシ清潔ニ磨キ双方ヘ股形ニ分チ地中板ノ線条ノ当リヲ清潔ニ磨キ各条ヲ正シク竝列シ又各線端ヲ地中板ノ下辺ニ於テ裏面へ貫通シ1尺5寸程折返シ前同断竝列シ地中板表裏共線条ト板トヲ錫蠟ヲ以テ充分密着セシメ酸類ハ直ニ洗ヒ去リ其ノ上ニ「コールター」ヲ塗ルヘシ総テ接合部ハ螺旋等ノ機械的仕事ハ後ニテ弛ミヲ生スル故ニ必ラス錫蠟付ト為スヘシ

第72条 地中板埋設穴ハ4尺4方深サハ平素地中板上端迄如何ニ旱魃ノ際ニテモ大地ト通スル水気ヲ含有スル地層迄掘下ケ其ノ底部ニ細丸太ヲ打込ミ銅板ヲ直立ニシ周囲ハ木炭ヲ以テ塡充シ(若高燥ナル地ニ在リテハ壺掘ヲ広メ木炭30,40貫以上塡充シ雨水其ノ他ノ流込ム様スヘシ)尚掘下ケ土ヲ以テ地表面迄漸次小棒ニテ搗ツツ堅メ埋戻ヲ為スヘシ又導線ノ上方ヨリ垂下セシ地点ハ陶器質ヲ以テ覆ヒ地中導線ハ「コールター」ヲ塗リ其ノ上布切レ等ニテ捲キ「コールター」塗リ上深サ3尺布掘トシ其ノ底部ニ布設シ掘上ケ土ヲ以テ埋立テ搗堅メ導線ノ周囲ハ石及砂礫ヲ除去スヘシ但シ鹽気酸気ヲ含ム水ハ銅ヲ腐触セシムルニ付之ヲ避クヘシ

第73条 本工事ハ前以テ製作所ノ記名ヲ申出テ主任技師ノ承認ヲ受クヘシ

第74条 電気抵抗試験ハ専門家ヲシテ試験器ニテ之ヲ点検シ其ノ成績不充分ト認ムルトキハ直ニ再試験ヲ施行スヘシ

 第7  雨水吐キ樋工事

第75条 水槽上部ノ周囲ニ沿ヒ設ケラレタル雨樋底板4箇所ニ内径大6寸同小4寸ノ漏斗形ノ流出口ヲ設ケ約2尺下リタル箇所ニテ水槽側板ヲ貫キ内径4寸ノ鋼管ヲ槽内ノ溢水管ニ相連接シテ排水スルモノトス

 第8 照明電燈工事

第76条 水槽丸屋根軒樋ノ外周ニ沿ヒ8個(1燈200燭光ノモノ)ノ照明燈ヲ設置ス配線ハ総テ鉄管内ニ入レ外部ヨリ湿気ヲ受ケサルハ勿論完全ナル電気的絶縁ヲ為スモノトス尚指定ノ所ニ開閉器及安全器ヲ付スヘシ本工事ハ電気事業取締規則ノ規定ニ依リ施行シ試験ノ上完全ノモノタルヘシ

 第9 試験

第77条 本工事完成後本市水道工事ノ進捗ヲ待チ送水開始ノ際直ニ水槽ニ満水シテ水圧試験ヲ行フ若シ試験ノ結果漏水個所アルトキハ標記ヲ為シ且帳簿ニ登録シ更ニ水槽内ノ水ヲ全部排出シ之ヲ空虚ニ為シ弛緩セル綴鋲ハ悉截去シ更新スヘシ洩水アル接合部ハ単ニ「コーキング」工ノミヲ以テ完全ニ水密ト為スヘシ其ノ他不良ノ箇所及作工ハ直ニ修正シ完全ト為リタル後初テ受授ヲ了スルモノトス

第78条 本工事ハ構造ノ組立ヲ完了スルモ前条水圧試験ニ合格セサル間ハ工事竣功ニ至ラサルモノトス但シ水圧試験ノ時期ハ略昭和7年5月トス             以上


  低区配水塔築造工事仕様書

 第1 総則

第1条 本工事ハ附属図面ノ通リ鋼鉄製水槽,鉄筋混凝土円筒水槽台,丸屋根,同支持円筒壁及之ニ附属スル工事一式トス

第2条 工事着手ノ際ハ監督員ノ承認ヲ受ケ其ノ施工順序方法等ハ総テ監督員ノ指揮ニ遵フヘシ

第3条 工事施行ニ要スル測量ハ総テ請負人ニ於テ之ヲ為スヘシ監督又ハ検査上必要ナル測量ハ配水塔工営所ニ於テ之ヲ為ス

第4条 本仕様書及図面ニ瞭カナラサル個所アルトキハ工事監督員ノ指示説明ニ遵フヘシ

第5条 建造物築造ニ当リ足代遺形及型枠等ハ監督員ノ指揮ニ従ヒ堅牢精確ニ造設シ作業及監督上危険無キ様注意スヘシ工事ニ要スル足代遺形型枠等ノ諸材料及工事用諸器具機械ハ総テ請負人ノ負担トス

第6条 工事施行ハ現場付近ノ既設建造物ニ支障ヲ及ホサルル様適当ノ設備ヲ為スヘシ

第7条 堀鑿セル土砂ノ整理及跡片付等ハ監督員ノ指揮ニ遵ヒ工事期限内ニ竣工セシムへシ

第8条 工事上必要ナル諸建物等ハ監督員ノ指定スル場所ニ設ケ充分ナル取締ヲ為スヘシ特ニ鍛冶工場ハ火気ニ注意スヘシ

第9条 設計書及図面ニ記載ノ数量寸法等ハ総テ仕上リ寸法ニ付請負人ハ其ノ種類性質ニ応シ相当ノ余裕及手戻等ノ費用ヲ見込ムヘシ

第10条 土坪ハ総テ図面点線ニ依リ計算シタルモノニシテ施工ニ当リ堀鑿又ハ埋戻土坪ノ容積ニ変化ヲ生スルコトアルモ請負金額ヲ増加セサルモノトス

第11条 本工事ニ於テ設計変更ノ必要ヲ生シタルトキハ請負契約内訳単価ニ依リ精算スヘシ但シ内訳書ニ依リ難キモノアルトキハ本市ニ於テ適当ト認ムル単価ヲ以テ計算スヘシ

第12条 請負人ヨリ提出スル工費内訳書中不適当ト認ムル単価ニ対シテハ本市ハ請負金額ヲ標準トシ適当ニ訂正ヲ命スルコトアルヘシ此ノ場合請負人ハ異議ヲ申立ツルコトヲ得ス

第13条 工事ニ要スル材料置場ハ本市低区配水塔用地内ノ支障ナキ個所ニ限リ無償貸与スルモ其ノ他必要アルトキハ請負人ノ費用ヲ以テ借地ヲ為スヘシ

第14条 請負人ハ工事着手前工事監督員ヲ経テ工程表ヲ提出シ其ノ承認ヲ受クヘシ

第15条 請負人又ハ其ノ代理人ハ毎日現場ニ出頭シ工事ノ進捗ヲ計リ使役者ノ取締ヲ為スヘシ

第16条 本工事ニ従事スル職工人夫等ハ充分工事ニ熟練セル者ヲ使役スヘシ若シ監督員ニ於テ不適当ト認メ之カ差換ヲ命シタル場合ハ請負人ハ異議ナク之ニ遵フヘシ

第17条 工事始終時間ハ本市規定ニ拠ルト遅工事上ノ都合ニ依リ早出残業ヲ命スルコトアルヘシ

第18条 混凝土其ノ他ノ所要水ハ請負人ノ費用ヲ以テ他ヨリ搬入使用スヘシ

第19条 支給材料「セメント」ハ本市低区配水塔倉庫渡トス支給材料ハ請負人ニ於テ充分責任アル番人ヲ付シ保管ノ責ニ任スヘシ

第20条 支給材料ヲ受クル際ハ其ノ都度請負人ニ於テ保管証ヲ提出スヘシ

第21条 支給材料ハ設計書ニ記載ノ通リナルモ工事上ノ都合ニ依リ増減スルコトアルヘシ支給材料ニシテ剰余ヲ生シタルモノハ遅滞ナク請負人ノ費用ヲ以テ運搬ノ上本市ニ返納スヘシ

 第2 材料

第22条 材料ハ総テ本市臨時水道工事用材料規格適合品タルヘシ但シ鉄材ハ本市指定ノ外商工省ノ規格ニ準ス

第23条 材料ハ総テ使用ニ先チ見本品ヲ提出シ検査ヲ受クヘシ又諸材料ハ夫々使用前ニ相当日数ノ余裕ヲ見込ミ現場ニ搬入シ其ノ都度係員ノ検査ヲ受クヘシ

第24条 検査ニ合格セサル材料ハ直ニ引取ルヘシ仍不合格材料ハ如何ナル理由アルモ再検査ヲ請求スルコトヲ得ス

   引替ヲ命シタル材料ニハ本市ノ定ムル刻印ヲ為スコトアルヘシ

第25条 混凝土ニ使用スヘキ砂利ハ其ノ質堅緻清浄ニシテ有機物其ノ他ノ爽雑物ヲ混入セサルモノタルヘシ其ノ形質8分以下3分以上ニシテ大小適宜に混合セルモノタルヘシ

第26条 砂ハ清浄ナル粗粒ニシテ其ノ質堅緻ノモノタルヘシ

第27条 石材ハ花崗石ニシ其ノ質均一且堅牢ニシテ破目裂目鉄気其ノ他有害ナル欠点無ク歳月ヲ経ルモ変色分解等ノ処ナキ程度ノモノタルヘシ但シ仕上後ト雖上記ノ欠点ヲ発見スルトキハ引替ヲ命スルコトアルヘシ

第28条 花崗岩ハ予メ見本品ヲ提出シ許可ヲ受ケタル後全部之ト同質ノモノヲ使用スヘシ

第29条 鉄筋材料ハ次ノ強度及品質ヲ有スルヲ要ス

   抗張強度  毎平方吋ニ付6万封度以上7万封度以下

   弾性限度  極抗張強度ノ2分ノ1以上

   長8吋ノ試験材ニ於テ破断ノトキ伸長割合100分ノ20以上彎曲試験気温ニ於テ試験材ノ径ノ2倍ニ等シキ直径ヲ以テ180度ニ彎曲スルモ其ノ外辺ニ於テ破断ノ徴ヲ表ハスへカラス

第30条 鉄筋材ハ八幡製鉄所ノ製品ニシテ同所ニ於テ前条ノ強度及品質ヲ有スル証明アルモノハ試験ヲ要セスト雖其ノ鉄材ニシテ其ノ試験ヲ執行シタルトキハ之カ試験費用ハ総テ請負人ノ負担トス

    試験材ノ数ハ略鉄筋材5,000封度毎ニ1個ノ割合トス

第31条 「セメント」ハ本市ヨリ支給シ指定ノ倉庫ヨリ受取使用スヘシ但シ其ノ運搬其ノ他ノ費用ハ請負人ノ負担トス

 第3 施行

第32条 工事着手ノ際ハ監督員ノ指揮ニ遵ヒ請負人ニ於テ精確ナル中心点ヲ定メ工事中支障ナキ位置ヲ選ヒ中心基点4個以上及水準基点ヲ設置スヘシ

第33条 工事中ハ常ニ各部ノ位置及高低ヲ測量シ規定ノ寸法ニ変ラサル様注意スヘシ

第34条 水槽台円塔基礎ハ所定ノ深サニ掘鑿シ若シ崩壊ノ虞レアルトキハ適当ノ防護ヲ為スヘシ

第35条 堀鑿後円塔ノ中心点位置ヲ表示スヘキ遺形ヲ作ルヘシ其ノ遺形ハ工事中位置ヲ異動セサル様堅牢ナル構造ト為スヘシ

第36条 足代及混凝土型枠ノ構造ハ其ノ詳細ヲ規定セサルモ請負人ニ於テ予メ相当ノ設計ヲ為シ監督員ノ承諾ヲ受クヘシ

第37条 円塔下部ニハ配合1,3,6ノ混凝土ヲ厚1尺ニ布設シ規定ノ位置ニ鉄筋材ヲ配置シ基礎混凝土ヲ打チ堅メ所定ノ位置ニ鉄骨柱ヲ据付ケ所要ノ鉄筋材ヲ夫々配置シ順次混凝土ヲ築造スヘシ

第38条 鉄筋材ハ総テ鍜接スへカラス接合箇所ニ於テハ各鉄筋材ノ端ヲ鈎状ニ曲ケ其ノ直線ノ部重ネ合セノ長サハ特ニ指定スルモノノ外直径ノ40倍以上トシ20番鉄線ヲ以テ緊結スヘシ

第39条 横巻主鉄筋材ハ直線部重ネ合セノ部分ニ両端矢筈形ノ直径8分ノ7吋以上ノ鉄筋ヲ添加シ尚20番鉄線ニテ緊結スヘシ

第40条 鉄筋屈曲ニハ加熱スへカラス但シ已ムヲ得サル場合及直径1吋以上ノ鉄筋ハ低キ熱ニ於テ加工スルコトヲ得此ノ場合豫メ監督員ノ承認ヲ受クヘシ

第41条 鉄筋ニ錆ヲ生セシモノハ之ヲ除去シ組建混凝土打込ミ前更ニ其ノ表面ヲ清浄ニ為シ塵埃,油,浮錆等ヲ除去スヘシ

    工事ノ都合ニ依リ鉄筋ノ一部ヲ露出シテ残留スルトキハ鉄筋ニ錆ヲ生セサル様膠灰ヲ塗布スヘシ

第42条 各部ニ使用スル鉄筋混凝土調合割合ハ容積ニ於テ「セメント」1,砂2,砂利4トス但シ工事上ノ都合ニ依リ本配合割合ヲ多少変更スルコトアルヘシ

第43条 「モルタル」ハ「セメント」及砂ヲ規定ノ割合ニ精確ニ計量シ乾燥ノ儘少クトモ5回以上反覆練合セ両種同一色ヲ呈スルニ至リ徐々ニ適量ノ水ヲ混和シ更ニ5回以上反覆練合ハセ充分攪拌スヘシ

第44条 混凝土ハ其ノ原料ヲ規定ノ割合ニ依リ精確ニ計量シ「ガソリン」又ハ電気混合機ニ依リ調練スヘシ

   工事ノ都合ニ依リ又ハ小部分ニ使用スルモノニ限リ特ニ承認ヲ得テ手練リト為スコトヲ得此ノ場合ハ砂利ヲ練リ台上ニ置キ湿気ヲ帯ヒシメ前条ニ依リ混合セル「モルタル」ヲ加ヘ5回以上練合セ充分ニ混和スヘシ

第45条 円塔及上部混凝土築造用型枠ハ其ノ形状ニ応シ堅牢ニ製作シ混凝土面ノ上塗リ仕上ケヲ為ササル箇所ハ其ノ接触面ヲ上鉋削ト為スカ又ハ薄キ鉄板ヲ張リ板継目ヨリ混凝土汁ノ流出セサル様施工スヘシ

    混凝土面ヲ「モルタル」塗リ仕上ケト為ス個所ト雖其ノ型枠ノ接触面ハ相当鉋削仕上ケト為スヘシ又築造中搗キ堅メノ為メ不正曲異動ヲ生セサル様堅牢ニ構造スヘシ

第46条 混凝土ハ構造物全部又ハ一部ヲ区画シ連続シテ打終ルヘシ若シ已ムヲ得ス一時工事ヲ中断スル場合ハ其ノ面ニ凹凸ヲ作リ置キ次回始業ノ前ニ清浄ニ洗滌シ薄キ「モルタル」ヲ敷均スヘシ

第47条 混凝土ハ其ノ硬軟ニ応シ相当ノ搗固メヲ為シ鉄筋ノ周囲及細部マテ充分ニ周到シ鉄筋ト混凝土トノ膠着ヲ完全ナラシメ且混凝土中ニ気泡空隙ノ存セサル様ニ為スヘシ

第48条 総テ混凝土ハ混合後直ニ使用シ30分以上経過シタルモノハ使用スへカラス

   前項混凝土打込ミ後ハ直ニ湿菰又ハ莚類ヲ以テ覆ヒ少クモ2週間間断ナク撒水シテ其ノ乾燥ヲ防止スヘシ又冬期ハ其ノ氷結ヲ防ク為相当ノ設備ヲ為スヘシ

第49条 混凝土型枠ハ混凝土打込後1週間乃至2週間丸屋根及床版ハ3週間以上経過シタル後監督員ノ承認ヲ得テ取外スヘシ

   混凝土ハ総テ6尺以上ノ高所ヨリ投下スへカラス

第50条 水槽台円塔頂部迄築造ヲ終リタルトキハ混凝土事業ヲ一時中止シ水槽ヲ構造シ然ル後上部ノ混凝土工事ヲ着手スルモノトス

第51条 円塔腰側石ハ図面ニ做ヒ見エ掛リ上小叩入念ニ仕上ケ合口切合セ目地縦横共1分ツツ合セ陸ニ切合セ3分角鉄物石毎ニ2本宛裡面混凝土中ニ堀込ミ「セメント,モルタル」ニテ積立ツヘシ

第52条 出入口上楣石ハ同枠石ノ同左右高欄石及左右柱型石ハ図面ニ做ヒ見エ掛リ上小叩入念仕上ケ合口切合セ目地縦横共1分ツツ「セメント,モルタル」ニテ積立ツヘシ但シ柱型ノ枠石ニ接スル見エ掛リノ個所ハ枠石ヲ深3分以上彫込ミ目地ナシトスヘシ

第53条 出入口階段石及円塔周囲小溝均シ石ノ敷石ハ図面ニ做ヒ見エ掛リ上小叩入念仕上ケ合口切合セ目地縦横共1分ツツ「セメント,モルタル」ニテ積立ツヘシ

第54条 植木鉢ハ野州産赤小松ニシテ図面ニ做ヒ見エ掛リハ上小叩入念仕上ケ鉢底ヨリ台石ヲ通シテ排水鉄管径2寸ヲ地下ニ差込仕上クヘシ

第55条 石面ニハ指定ノ通リ繰形及模様ヲ彫刻スヘシ目地ハ深サ3分以上堀取リ「小野田白色セメント」ニテ化粧目地ヲ為スヘシ

第56条 石材合口ハ総テ小鑿切合口ハ1寸以上小叩仕上ケトス

第57条 建造物ノ外廻露出面ハ石材ヲ除ク外全部「モルタル」厚5分ヲ2回ニ「セメントガン」機ヲ使用吹付ケ鏝仕上ケトシ特ニ柱形及凸出面ハ濃色トス但シ其ノ色ノ濃淡ハ監督員ノ指示ヲ受クヘシ尚壁面ニ所定ノ繰形及模様ヲ付スヘシ

第58条 建造部ノ内面ハ当初混凝土面ニ16番鉄線ヲ約5寸千鳥ニ長5寸以上植付ケ白漆喰厚5分ヲ4回仕上ケトス

   漆喰塗下地ハ上等麻苆1坪ニ付60匁使ヒ前項ノ線条ニ結付ケ別紙設計内訳書ニ指定スル調合漆喰ニテ下塗シ充分乾燥ノ後大斑直シ麻苆半数摺込ミ其ノ他小斑直シ残ヲ摺込ミ中塗リ上塗其ノ他前同断ニ指定シタル調合ニ俲ヒ練合セ壁尻共斑ナキ様鏝数ヲ充分ニ掛クヘシ

第59条 天床壁塗青麻苆ハ80匁使ヒ其ノ他ハ前同断天井蛇腹前同断入念仕上ケノコト

第60条 天井照明燈飾リ取付台ハ石膏製品4ケ所径3尺模様付現寸図面ニ俲ヒ仕拵ヘ監督員指揮ノ通リ混凝土ニ植込ミタル3分丸「ボールト」ニテ取付クヘシ

第61条 出入口上庇混凝土面ニ図面ノ通リ繰形模様ヲ付シ入念仕上クヘシ

第62条 出入口庇上ノ「ネーム,プレート」ハ大理石ニテ文字ヲ浮カシ周囲ニ繰形模様ヲ彫刻シ台石ニ据付ケ裏面ヨリ扣ヲ取付クヘシ

第63条 1階窓下壁ニハ高3尺5寸通リ指定ニ依リ良質ノ上下玉縁付ノ「タイル」張リ仕ケトス

第64条 1階床指定ノ個所ニ床下ニ出入口ヲ為ス方2尺ノ人孔ヲ監督員ノ指揮ニ従ヒ設ケ所定ノ鉄蓋ヲ附スヘシ

   1階床面ハ「リノリューム」ヲ裁チ合ハセ仮敷ヲ充分ニ引伸ヘ小口鉋削ヲ為シ縦横共見透シ能ク「リノリューム,ぺスタ」ヲ以テ入念張合セノ上接目通リハ木片ヲ以テ充分ニ押シ付置キ相当ノ日時ヲ経タル後跡掃除ノ上油引ヲ為スヘシ

    前項「リノリューム」ハ幅2米ノモノニシテ品質色合ハ見本品ヲ提出シ承認ヲ受クヘシ若シ敷合セノ都合ニ依リ小幅モノヲ使用スルトキハ其ノ色合均一ノモノタルヘシ

第65条 1階ヨリ2階ニ昇降スル螺旋形階段ハ鋼鉄製ニシテ図面ニ傚ヒ入念ニ製作取付クヘシ手摺ハ黄銅製管ニシテ親柱及上部手摺ハ径1吋半ニシテ其ノ他ハ径1吋トス

第66条 1階出入口扉及同欄間ハ良質ニシテ且充分乾燥セル楢材ヲ図面ニ傚ヒ二重ホゾ差トシ指定ノ硝子ヲ溝ニ入込ミ入念仕上ケ「ニス」塗トシ扉ニハ黄銅製蝶番ヲ3箇所ニテ釣込ミ黄銅製捻子金具及錠前1箇ヲ附スヘシ欄間モ亦前同断嵌込ミ取付クヘシ扉蝶番取付ケニハ長6尺幅2寸5分厚4分ノ黄銅板ニ蝶番取付「ネジ」孔ヲ穿チ数個所ニ埋込ミ金具ヲ取付ケ枠石ニ埋込ミ取付クヘシ

第67条 1階出入口上庇ノ雨水ハ庇ノ一隅ニ漏斗形排水口ヲ設ケ夫レヨリ鉄管ニテ室内ニ導キ排水本管ニ流入セシムル様施行スヘシ

第68条 1階2階及廻廊共窓ハ其ノ数33個鋼鉄製枠ニ硝子取付何レモ堅ニ廻転スル様構造シ取付クヘシ

第69条 水槽周囲廻廊ノ1部ニ幅3尺ノ出入口ヲ設ケ2階床面ヨリ混凝土ノ階段ニ依リ出入シ階段ニハ径1寸半ノ鋼鉄管ノ手摺ヲ付シ色「ペイント」塗仕上ケヲ為スモノトス

第70条 2階床面ニハ防水ノ為厚3分ノ「アスファルト」ヲ周囲堅壁ニ1尺折上ケ塗布シ其ノ上面ニ「モルタル」厚1寸覆ヒ仕上ケト為スヘシ

第71条 「ドーム」表面仕上ケ「モルタル」ニハ指定ノ防水剤ヲ混入仕上クヘシ「ドーム」頂部換気孔ニハ雨水ノ侵入ヲ防止スル為径3尺厚1寸以上ノ「ドーム」形ヲ肋材ニテ組立周囲ハ同材ニテ鎧形ニ一方ニ換気用空間ヲ作リ取外シヲ為シ得ル様取付クヘシ

第72条 丸屋根雨水排水ハ2階上部外廻廊ニ漏斗形排水口ヲ設ケ内部廻廊下ニ鉄管ヲ円塔ニ沿ヒ布設シ之ニ流入セシメ夫ヨリ水槽排水鋼管ニ連結スルモノトス又万一水槽ヨリ漏水アルトキハ之亦前記排水管ニ連結セシメ所々ニ「コツク」ヲ取付ケ必要時開栓シテ排水本管ニ流入セシメ得ル様為スヘシ

第73条 排水管ハ主管支管共完全ナル錆止ヲ施シ且相当勾配ヲ附スヘシ

第74条 電気照明燈ハ左記ノ員数トス

   (イ)出入口左右柱取付            2個

   (ロ)出入口上軒取付             1個

   (ハ)1階天井取付(5個1組ノモノ)       4組

   (ニ)2階壁取付                4個

   (ホ)内廻廊壁中高取付            6個

   (ヘ)同  壁上部取付            4個

   (ト)外廻廊上部取付             12個

第75条 照明燈ハ常時ト臨時使用トニ区画スル為左記ノ通リ開閉器及点滅器ヲ設クヘシ

   (イ)(ロ)ノ3燈ヲ同時ニ点燈シ得ル様点滅器1個

   (ハ)ノ4組ヲ2組ツツニ分チ点燈為シ得ル様開閉器2個

   (ニ)ノ4燈ヲ2燈ツツ点燈為シ得ル様開閉器2個

   (ホ)ノ6燈ハ3燈ツツ点燈為シ得ル様点滅器2個

   (ヘ)ノ4燈ハ同時ニ点燈為シ得ル様点滅器1個

   (ト)ノ12燈ハ6燈ツツ点燈為シ得ル様点滅器2個

   以上ノ点滅器ハ1階指定ノ箇所ニ設置スヘシ

第76条 電気工事一搬事項左ノ如シ

   1 本工事ハ本仕様並別紙図面ニ依リ低区配水塔ニ於ケル電気照明工事ヲ為スモノトス

   2 本電気工事ハ左ノ如シ

   (イ)電燈配管配線工事

   (ロ)地中線引込工事

   (ハ)照明器具(電球ヲ含ム)製作及取付工事

   (ニ)積算電力計取付工事

   3 請負人ハ工事完成後全部ニ亘リ電気工事落成後配線図一通リヲ作製シ監督員ニ提出スルモノトス

   4 請負人ハ予メ本工事ニ使用スル材料器具ノ見本ヲ監督員ニ提出シ其ノ承認ヲ得タル後使用スルモノトス

   5 本工事ハ総テ監督員ノ指揮ニ従ヒ逓信省電気工作物規程ヲ遵守シテ施行スルモノトス但シ右規定ニ合格シ得ル理由ヲ以テ本仕様ニ指定スル以外ノ粗悪ナル材料ヲ使用シ又ハ拙劣ナル施行ヲ為シ得サルモノトス

   6 本工事ニ使用スル材料並器具ニシテ監督員ニ於テ不良ナリト認メタルモノ又ハ修理手直ヲ命シタルモノハ直ニ良品ト取替ヘ又ハ修理手直ヲ為スモノトス

   7 本工事ハ図面ニ傚ヒ施行スルモ工事上ノ都合ニ依リ些少ノ変更ヲ為スコトアルヘシ些ノ場合請負人ハ無償変更ニ異議ナキモノトス

   8 本工事ハ全部ニ亘ル「防水」工事ニ付仕様書又ハ図面ニ於テ特ニ防水スル旨記載無キモノト雖器具材料並工事方法ハ総テ防水施行タルコトヲ要ス

第77条 配線器具材料左ノ如シ

   本工事ニ使用スル金属管及付属品ハ1分ノ厚外面亜鉛鍍金内面「エナメル」塗ノモノニシテ日本パイプ製造株式会社又ハ東洋電業株式会社製品タルコトヲ要ス

   本工事ニ使用スル「アウトレツト,ボックス」及接続凾並「カバー」ハ総テ亜鉛鍍金仕上ケ鋳鉄防水装置タルコトヲ要ス但シ外燈其ノ他雨露ニ曝サル処アル場所ニ使用スルモノハ真鍮製又ハ「アルミニューム」製ヲ仕様スルモノトス

   各「アウトレツト,ボックス」及接続凾ハ夫々使用箇所ニ於ケル配線状態ニ応スル金属管接続口ヲ有スルモノニシテ不必要ナル金属管接続口ヲ有セサルモノトス

第78条 電線及電纜

   本工事ニ使用スル電線及電纜ハ古河電気工業株式会社,藤倉電線株式会社,株式会社住友電線製作所製品ニシテ製造者名線種別ヲ明示セル標識入ノモノタルヘシ但シ電線ハ第4種絶縁電線ニシテ切断面積5.5平方粍以上ノモノハ総テ撚線ヲ使用スルモノトシ電線ハ鋼帯鎧装電纜ヲ使用スルモノトス

第79条 分電盤

   本工事ニ使用スル分電盤ハ1階床上指定ノ個所ニ上等鉄製「キャビネット」入り「スイツチ」型トシ静置スルモノトス

   (イ)主幹開閉器2極60「アムペヤー」及(包装可熔片付)50A単相交流積算電力計1個取付電纜終端接続凾一個

   (ロ)主幹開閉器2極60A分岐開閉器「スヰツチユニツト」(2極20A各極包装可熔片付)8回線

   開閉器ヲ取付クヘキ大理石板ハ無疵ニシテ絶体ニ鉱脈ヲ含マス且使用電圧ニ対シ充分ノ絶縁耐効ヲ有スル白色2.5糎厚以上ノモノトス「キャビネット」ハ底側面及「カバー」ハ総テ3.2粍厚以上の鉄板ヲ用ヰ継目ハ熔接スルモノトス鉄板ハ総テ2回以上錆止塗料ヲ施シ表面ハ現場取付後監督者指定ノ色ニ入念ニ仕上ケ塗料ヲ施スモノトス

   「カバー」ト「キャビネット」トノ間ニハ「ラバー,ガスケット」ヲ挿入シ且金属管ト「キャビネット」トノ接続ハ捻込装置ト為シ内部ニ湿気,塵埃等絶対ニ侵入セサル様適当ナル構造ヲ有スルモノトス「カバー」ハ一重開閉扉ヲ有スルモノニシテ蝶番並錠前「ハンドル」等ハ真鍮材ヲ以テ製作シ「ニツケル」鍍金ヲ施シタルモノトス

   開閉扉ノ裏面ニハ銅鍍金ヲ施シタル真鍮製「フレーム」(板硝子付)ヲ取付ケ之ニ各回線名ヲ記入セル「カード」ヲ挿入スルモノトス

   包装可熔片ハ使用実数ト同数ヲ予備トシテ供給スルモノトス

第80条 施行方法左ノ如シ

   「アウトレット」ノ位置ハ大略ヲ示スモノニシテ請負人ハ現場施工ニ際シ一々監督員ノ指揮ヲ受ケ建築構造ニ適スル様其ノ位置ヲ定ムルモノトス

   本工事ニ於ケル金属管ハ総テ混凝土埋込配管トス金属管ノ交叉屈曲並「ノーマルベンド」ノ使用ハ出来得ル限リ少クスル様配管スルモノトス

   金属管切断部ハ必ス平滑ニ仕上クルモノトス金属管ハ工事中塵埃ノ侵入ヲ防ク為其ノ口ニハ必ス軟質ノ木材ヲ以テ製作セル「プラグ」ヲ固ク挿入シ置クモノトス

   「アウトレツト,ボツクス」及「カバー」ハ取付後必ス其ノ内部ニ「エナメル」ヲ塗布シ錆止ヲ為スモノトス

   電線挿入ハ監督員立会ノ下ニ金属管ノ内部ヲ繰返シ充分掃除シ完全ニ塵埃及水分ヲ除去シタル後為スモノトス

   配管ハ総テ主材鉄筋其ノ他ヲ損傷セサル様現場監督員ノ指揮ニ遵ヒ配管スルモノトス

   本工事ハ電気器具照明器具等ノ「フレーム」又ハ外凾其ノ他「キヤビネツト」「ボツクス」金属管類ハ総テ逓信省電気工作物規程ニ依リ完全ニ接地スルモノトス

   引込口ハ単相低圧100Vヲ構内外ノ供給会社配電線路ヨリ構内ハ電纜ヲ以テ引込ムモノトス

   低圧用二心入鋼帯鎧装電纜導体切断面積8平方粍

   電纜布設ハ露出部分ハ鉄管内ニ地中部分ハ土管内ニ納メ埋設スルモノトス 但シ建物内「コンクリート」部分ハ鉄管ニ納メテ引込ムモノトス

第81条 照明器具及積算電力計

   請負人ハ左記照明器具ノ供給及現状取付ケヲ為スモノトス

   丸屋根柱頂上照明

   外燈100W  12個(2回線)

   鋳物金具ハ真鍮製青銅色仕上ケトス

   硝子乳  白色…6個 赤色…6個

   出入口照明正面中央100W  1個

   「ブラケツト」

   硝子乳色              1回線

   金具唐金(鋳物)製

   出入口照明正面両側100W  2個

   「ブラケツト」

   金具唐金(鋳物)製

   硝子乳色

   水槽周囲照明60W  14個(3回線)

   「ブラケツト」

   金具ハ真鍮製青銅色仕上ケトス

   硝子乳色

   階天床照明60W  4個(2回線)

   5燈用サ((シヤ))ンデリヤ

   金具真鍮製宣徳仕上

   乳色グローブ

第82条 器具注意事項

   1 各器具ハ電球承口其ノ他一切付属品ヲ具備スルモノトス

   2 各器具ニ使用スル電球承口其ノ他一切防水装置トス

   3 各器具ハ何レモ容易ニ電球ノ取替エ得ル構造ノモノトス

   4 心線ニ使用スル電線ハ第4種絶縁電線トス

   5 各器具ハ取付前500V「メツガー」ニテ測定シ各10「メグオーム」以上ノ絶縁抵抗ヲ有スルモノトス

   6 各器具ノ電線ヲ通スル部分ハ充分平滑ニシ内部凹凸ニ依リ電球ノ被覆ヲ損傷セサル様製作スルモノトス

   7 請負人ハ製作前現寸図ヲ提出シ監督員ノ許可ヲ得タル後製作スルモノニシテ金物硝子等ノ材料及仕上ケ色ニ付テハ予メ見本ヲ提出スルモノトス

   8 各器具ハ取付後ト雖監督員ニ於テ不良ト認メタル場合ハ遅滞ナク無償ニテ改造又ハ修理ヲ為スモノトス

   9 積算電力計ハ単相交流100V50A60「サイクル」ニシテ逓信省電気計器検定規則ニ依リ検定合格書添付ノコト

 第4 避雷針工事

第83条 避雷針工事左ノ如シ

     避雷針       1ケ所

     突針     大1個,小1個

     導線    延長約120呎(B.W.G12番19條撚リ)

     地中銅板     1個(3尺ノ4尺厚1/8吋以上)

   突針部ハ純銅ヲ以テ製作シ主針ハ長1尺直径6分トシ頂上ハ90度ノ傾斜角度ヲ保ツ円錘形トシ主針頂上ヨリ1尺下部ニ銅球ヲ作リ之ニ長5寸直径5分頂上ノ尖端ヲ鋭クシタル4個ノ枝針ヲ螺旋ニシテ銅製蛇目形ノ座ヲ以テ締固ムヘシ但シ主針及枝針等ハ磨キ仕上ケトス

第84条 主針ノ尖端ハ酸化ヲ防止スル為頭部約1本ニ付1寸5分ヲ純金(又ハ「プラチナ」)3匁以上乾導法ニ依リ焼付ヲ為スヘシ特ニ主針ノ円錘尖及枝針ノ鋭尖端ハ一層注意シ厚ク焼付ヲ為スヘシ

第85条 主針ヨリ地中板迄ノ導線ハ純銅ノ90「パーセント」以上ノ導線力ヲ有スル B.W.G12番線19條撚ヲ使用シ上端主針部トノ接続点ハ撚線3,4寸ヲ解キ各条ヲ直線ニ延ハシ清潔ニ磨キ上ケ黄銅蠟ヲ以テ1個ノ丸棒ニ堅メ鉄管(突針ノ幹)横面ノ孔ヨリ差シ廻シ主針銅球下端内部ノ螺旋ニテ止メ焼キツツ完全ニ取付クヘシ

    主針部ト鉄管トノ接合ハ二重鉄管ニシテ両端逆返螺旋トシ上下同時ニ締堅ム導線繫キ鉄物ハ錬鉄ニテ蝶番形ニ造リ6尺間隔以内及折曲リ個所ト打付ケ銅線ニテ緊着シ屋根上端ノ繫キ鉄物ハ銅又ハ鉛小板ヲ以テ1尺間隔以内ニ押ヘ屋根上端植込ミニシ尚取付ケニ際シ直角ニ猥リニ鋭キ曲ケ方ヲ避ケ又寒暖ヨリ起ル伸縮ヲ妨ケサル様留メ方シ地中板(純銅ニシテ総面積12平方呎厚1/8吋以上タルヘシ)純銅厚5厘3呎×4呎1枚板ヲ用ヒ導線トノ接線ハ地中板ノ上辺ニ導線ヲ差シ通シ其ノ端ヲ解放各条ヲ直線ニ延ハシ清潔ニ磨キ双方ヘ股形ニ分チ地中板ノ線条ノ当リヲ清潔ニ磨キ各条ヲ正シク竝列シ又各線端ヲ地中板ノ下辺ニ於テ裏面ヘ貫通シ略1尺5寸折リ返シ前同断竝列シ地中板表裏共線条ト板トヲ錫蠟ヲ以テ充分密着セシメ酸素ハ直ニ洗ヒ去リ其ノ上ニ「コールター」ヲ塗巾スヘシ総テ接合部ハ螺旋等ノ器械的仕事ハ後日弛ミヲ生スルカ故ニ必ス錫蠟付ト為スヘシ

第86条 地中板埋設穴ハ4尺4方トシ其ノ深サ表面ヨリ12尺ノ処ニ細丸太ヲ打込ミ銅板ヲ直立ニシ周囲ハ広ク壺堀リヲ為シ木炭40貫以上塡充シ堀鑿土ヲ以テ地表面迄漸次小棒ニテ搗堅メ埋戻シヲ為シ内径1吋以上長12尺ノ鋼管ヲ地中ニ埋立テ上部ヨリ水ヲ流入セシムル様為スヘシ尚其ノ付近ニ前記地中板ノ補助トシテ長2間幅1間ノ平面矩形ノ周囲ニ沿ヒ内径2吋長20尺ノ鋼管6本打込ミ其ノ管頭ヲ地下深3尺ノ所ニ揃フルモノトス

    各管ハ前記同断ノ地中導線ニテ連絡シ1層「アース」ヲ有効ナラシムヘシ導線ノ上方ヨリ垂下セシ地点ハ陶器質ヲ以テ覆ヒ地中導線ハ「コールター」ヲ塗リ其ノ上布切等ニテ捲キ「コールター」塗上ケ深サ3尺布堀トシ其ノ底部ニ布設シ堀上ケ土ヲ以テ埋立テ搗堅メ導線ノ周囲ハ石及砂礫ヲ除去スヘシ但シ鹽気酸気ヲ含ム水ハ銅ヲ腐食セシムルニ付之ヲ避クヘシ

第87条 本工事ハ前以テ製作所ノ記名ヲ申出テ監督者ノ承認ヲ受クヘシ

第88条 電気抵抗試験ハ専門家ヲシテ之ヲ点験セシメ其ノ成績不充分ト認ムルトキハ再試験ヲ施行スヘシ

 第5 鋼鉄構造物工事

第89条 本工事ニ施行スルモノハ付属図面ニテ示セル鋼鉄製水槽同付属工丸屋根肋材工及水槽台円塔埋込ミ鋼鉄柱並同付属工事一式トス

第90条 本工事ニ対スル総則ハ前記鉄筋混凝土工事ニ準スルモノトス

 第6 材料

第91条 本工事ニ使用スル鋼材ハ「シーメンス,マルチン」又ハ開爐式ニ依リ製造シタルモノタルヘシ

第92条 鋼材ハ八幡製鉄所ノ製品ニシテ同所ニ於テ第96条ニ規定スル強度及品質ヲ有スル証明アルモノハ試験ヲ要セス請負人ハ使用スヘキ鋼材ノ製造所ヲ具シ予メ市長ノ承認ヲ受クヘシ此ノ場合特ニ承認ヲ受クルニ非サレハ其ノ製造所ヲ変更スルコトヲ得ス

第93条 鋼材ハ総テ無庇ニシテ真直且断面均一ニシテ不充分ノ鍛錬其ノ他ノ欠点ナク表面麗潔ニシテ平滑ナルヘシ

第94条 展成鋼ハ其ノ断面形状ニ於テ日本標準規格ニ依ル公差ノ範囲内ニ限リ之ヲ許容スルモ之ヲ超ユル減少ハ許容セス

    設計図面ニ示スモノト異リタル形状ノモノヲ使用セムトスルトキハ予メ其ノ形状ヲ申出テ承認ヲ受クヘシ但シ請負人ノ都合ニ依リ増加シタル重量ニ対シテハ請負費ヲ増加セサルモノトス

第95条 本設計内訳書中ノ鋼材ハ総テ吋,封度単位ヲ以テ記載セルモ都合ニ依リ所定吋ノ数ニ近キ粍数ニ対スル標準重量ヲ以テ重量ノ計算ヲ為シ請負内訳単価ニ依リ精算スルモノトス

第96条 鋼材ハ総テ左記強度及品質ヲ有スルモノタルヘシ

   1 綴釘用以外ノ鋼材

     (イ)極抗張強度  毎平方吋ニ付6万封度以上7万封度以下

     (ロ)弾性限度   極強度ノ2分ノ1以上

               長8吋ノ試験材ニ於テ破断ノトキ伸長割合100分ノ20以上

   2 綴釘用鋼

     (イ)抗張強度   毎平方吋ニ付5万封度以上6万封度以下

     (ロ)弾性限度   極強度ノ2分ノ1以上

               長8吋ノ試験材ニ於テ破断ノトキ伸長割合100分ノ26以上

   鋼材ノ厚5/16吋以下ノモノハ1/16吋ヲ減スル毎ニ前項規定ノ伸長割合ヨリ100分ノ2.5ヲ減スルコトヲ得又3/4吋以上ノモノハ1/8吋ヲ増ス毎ニ同100分ノ1ヲ減少スルコトヲ得

第97条 鋼材試験ノ際供試材ノ中央3分ノ1以外ノ点ニ於テ破断セルモノハ廃棄シテ更ニ他ノ材片ニ付試験スヘシ

第98条 彎曲試験ハ各鋼材共厚1吋以下ノモノハ常気温ニ於テ試験材ノ厚ノ2倍ニ等シキ径ヲ以テ180度ニ彎曲スルモ其ノ外辺ニ破断ノ徴ヲ表スへカラス

第99条 L形鋼ハ厚3/4吋以下ノモノハ常気温ニ於テ鎚撃シ両脚ヲ扁平ナラシメ又厚1/2吋以下ノモノハ同ク両脚ヲ密接セシムルモ破断ノ徴ヲ表スへカラス

第100条 綴釘用鋼ハ1点ノ刻目ヲ付シ其ノ点ニ於テ円棹ノ径ニ等シキ直径ヲ以テ彎曲スルニ刻目ノ点ヨリ漸次ニ破断シ断面ハ質緻シ密ニテ細キ光沢アル等斉ナル破断面ヲ為スヲ要ス

第101条 綴釘帽ハ之ヲ鎚撃シテ厚1/8吋ニ至ラシムルモ其ノ周辺ニ罅裂ヲ生スへカラス

第102条 監督者ハ各種材料中ヨリ任意ノ若干ノ材片ヲ選定シテ其ノ強度及品質ノ試験ヲ為スヘシ但シ試験材ハ大略鋼材2屯ニ付1個ノ割合トス

第103条 前各条ニ記載スル事項ノ外総テ日本標準規格第20号ヲ又寸法及重量ノ公差ニ付テハ日本標準規格第24号ヲ準用スルモノトス

第104条 試験材ノ製作及試験検査ニ要スル費用ハ総テ請負人ニ於テ負担スヘシ

第105条 試験ハ工作前之ヲ行ヒ合格ノ通知ヲ受ケタル後工作スヘシ現場納入品ニシテ不合格ノモノハ直ニ場外ニ搬出し代品ヲ納入スヘシ

    擯却セラレタル材料ハ如何ナル理由アルモ再試験ヲ請求スルコトヲ得ス

 第7 製作工事

第106条 鋼材ハ加工セルト否トニ拘ラス総テ地上ヨリ相当高サノ台上ニ保存シ塵埃,油類等ノ異物ニ依ル汚損ヲ避ケ且腐触防止ノ方法ヲ講スヘシ

第107条 鋼材ハ加工ノ際ニ充分真直ナルヲ要ス使用前軽易ナル屈曲ヲ為シタル鋼材ハ予メ材質ヲ害セサル方法ニ依リ曲ノ整正ヲ為スヘシ但シ甚シキ扭又ハ曲ヲ為シタル鋼材ノ整正使用ハ之ヲ禁ス

第108条 製作ハ丁寧ニシテ各部ノ形状寸法ハ精密ナルヲ要ス特ニ見エ掛リノ部分ノ仕上ケハ丁寧ニ手際良ク施工スヘシ

第109条 鋼板ノ厚キモノハ剪断機ニテ裁断シ得ルモ厚8分ノ3吋以上ノモノハ端辺ヲ削平機ニテ斜角ニ削ルヘシ

第110条 鋲ハ其ノ材片ノ厚カ鋲ノ公称直径以下ナルトキハ予メ小サク「パンチ」シ然ル後仕上リノ大サニ「リーム」スルカ又ハ「ドリール」スヘシ

    主要部材以外ノ部材ノ鋲孔ハ鋼材ノ厚カ鋲ノ公称直径以下ニシテ監督員ノ承認アルトキハ仕上リ大ニ「パンチ」スルコトヲ得但シ孰ノ場合ニ於テモ鋼材ノ厚カ鋲ノ公称直径ヨリ大ナルトキハ鋲孔「ドリール」スヘシ

第111条 鋲孔ヲ仕上ケ大ニ「パンチ」スルトキ鋲孔ノ直径ハ鋲ノ公称直径ヨリ16分ノ1吋大ナルヘシ但シ「ダイス」ノ直径ハ「パンチ」ノ直径ヨリ3/32吋以上大ナルへカラス

第112条 「パンチ」ハ手際良ク行ヒ鋲孔ノ周囲ニ裂ケ目「バク」ノ付着等アルヘカラス

第113条 水槽用鋼鈑其ノ他重要ノ部材ハ常気温ニ於テ規定形状ニ屈曲スヘシト雖小部材ハ加熱シテ屈曲シ焼純シヲ要セス但シ鋼材ノ全強度ヲ必要トスルモノニ加熱シタル場合ハ必ス焼純シヲ為スヘシ

    綴鋲ハ総テ機械ヲ使用シ圧縮ノ方法域ハ圧搾空気鎚ニ依リ鉸綴スヘシ但シ工事上ノ都合ニ依リ已ムヲ得サルトキハ監督員ノ承認ヲ経他ノ方法ニ依ルコトヲ得

第114条 材片ノ衝頭接合ニ於テ接合面ハ精確ニ切断シ平担ニ削リタル上両辺ヲ密着セシムルヲ要ス特ニ抗圧材片ニ於テハ両面ヲ密着シ材片鋲綴後接触面ニ於テ圧力ヲ完全ニ伝達シ得ル様ニスヘシ

第115条 重畳接合スヘキ鉄材ハ総テ銹其ノ他ノ付着物ヲ除去シ検査ヲ受ケ錆止メ「ペイント」ヲ塗リタル上之ヲ重畳接合スヘシ

第116条 接合スヘキ鉄材ノ綴鋲孔ノ位置ハ極メテ精密ニ穿チ接合ニ際シ両孔ノ偏倚セサルヲ要ス故ニ必要ニ依リテハ数個ノ鉄材を重畳鐉孔セシムルコトアルヘシ

第117条 集成部材ハ建設現場ニ於テ行フヘキ連続工ヲ除クノ外全部鋲綴シ且其ノ連続工ニ使用スヘキ鋲孔ヲ精確ニ穿鑿スヘシ

第118条 綴鋲鉸綴ノ際ハ孔ヲ完全ニ塡充スルヲ要ス又幅ト其ノ接合トノ間ニ空隙アルへカラス仍幅ノ中心点ハ鋲ノ中心線内ニアルヲ要ス

第119条 綴鋲ハ鉸綴ノ後各個ニ付位置,打撃其ノ他ノ試験ヲ為シ検査ヲ施行スルモノトス不合格ノモノハ直ニ削除シ合格セルモノハ剰余ノ鉄屑ヲ除去シ整形スヘシ

第120条 鋼材ハ特ニ許可シタル場合ノ外鍜接スへカラス

第121条 鋼材ノ製作竣功後ノ部材ハ総テ搬出前清掃シ泥土塵埃等ヲ除キ錆止メ「ペイント」ヲ塗布スヘシ

第122条 組立各材ニハ記号及番号ヲ付シ現場組立テノ際錯誤ナカラシムへシ

 第8 建設現場組立

第123条 組立ニ要スル仮構ノ足場等ハ鋼材ノ組立材料運搬等ニ危険ナキ様入念仕上ケ特ニ仮構ハ荷重ニ対シ毫モ沈下ノ虞ナキ様設計施行スヘシ

    前項工作物ノ構造及施工法ハ施行前設計図ヲ提出シ監督員ノ承認ヲ受クヘシ

    仮構ハ建設シタル後尚動揺其ノ他不充分ノ処アルトキハ相当材料ヲ増加シ堅牢ナラシムヘシ

    仮構ハ鉄材組立テ工事中常ニ相当ノ注意ヲ以テ修繕シ工事中危険ナキヲ期スヘシ

第124条 水槽ノ欠球底ニハ補強シタル管孔ヲ穿チ之ニ鋳鋼製異形管ヲ鋲綴シ其ノ直下ニハ伸縮管ヲ接続シ槽底ヨリ上部ハ所定ノ高サニ鋼管ヲ取付ク槽底ヨリ下部ハ引出管ヲ除クノ外階上ニ所定ノ方向ニ曲ケ其ノ下部ハ混凝土ノ基礎上ニ据付タル鋳鉄製直管ニ連続シ建設スヘシ堅管ノ鋼管ニハ水槽内ニテ各管共1個所ニ於テ射心形ヲ為シL形鋼ニテ振止ヲ取付クヘシ

    管ノ接合ニハ厚1分以上の鉛板ヲ「パツキン」トシ7分ノ「ボールト」ヲ以テ緊結スルモノトス尚鉄管ハ図示ノ如ク電気熔接ニテ工作スルモノトス

第125条 鉄材組立テニ当リ若シ各材ノ綴鋲孔ニ一致セサルモノアルトキハ之ヲ調整スヘシ組立用仮締「ボールト」ハ綴鋲ト同径ニシテ綴鋲数ノ5割以上ヲ用ヰ緊結スルヲ要ス

第126条 製作工事中ニ規定セル綴鋲鉸綴ニ関スル条項ハ総テ組建工事ニ適用ス

第127条 鋼材ノ取扱及運搬ハ丁寧ニシ製作材片ヲ屈曲又ハ毀損セシムへカラス

 第9 「ペイント」塗工

第128条 水槽ノ内部ハ純「アスファルト」ヲ精製セル「玄光」ト称スル塗料ヲ2回塗スヘシ

第129条 前条ノ外鋼材ノ表面塗布ヲ使用スル「ペイント」ハ島津化学研究所製造ノ「ズボイト」ト称スル塗料ヲ3回ニ塗上クヘシ但シ色合ハ監督員ノ指示ヲ受クヘシ

第130条 鋼材表面ニ銹錆アルトキハ「スクレツパー」又ハ「ワイヤーブラツシ」ノ類ニテ充分ニ削落シ地金ヲ現出セシメ監督員ノ検査ヲ受クヘシ錆落シヲ終リタル個所ハ即日下塗ヲ為スヘシ若シ已ムナク即日下塗ヲ為シ得サルトキハ油ヲ塗置キ「ペイント」塗布ノ際之ヲ拭取ルヘシ此ノ場合ハ表面ニ錆ヲ生シタルトキハ之ヲ除去スヘシ

   在来ノ錆止メ「ペイント」及錆ヲ削落スニ当リ薬剤ヲ使用スルコトヲ禁ス

第131条 雨天烈風又ハ厳寒ノ日ハ「ペイント」塗ヲ為スへカラス

 第10 試験

第132条 本工事完成後本市水道工事ノ進捗ヲ待チ送水開始ノ際直ニ水槽ニ満水シテ水圧試験ヲ行フ若シ試験ノ結果漏水個所アルトキハ標記ヲ為シ且帳簿ニ登録シ更ニ水槽内ノ水ヲ全部排出シ之ヲ空虚ニ為シ緩ミタル綴鋲ハ悉截去シ更ニ新ニスヘシ漏水アル接合部ハ単ニ「コーキング」工ノミヲ以テ完全ニ水密ト為スヘシ其ノ他不良ノ個所及作工ハ直ニ修正シ完全ト為リタル後初メテ受授ヲ了スルモノトス

第133条 本工事ハ構造ノ組立ヲ完了スルモ前条水圧試験ニ合格セサル間ハ工事竣功ニ至ラサルモノトス但シ水圧試験ヲ行フ時期ハ略昭和7年5月トス          以上


 低区配水塔は,基礎円塔と屋根は鉄骨鉄筋コンクリート造り,水槽外周は鉄筋コンクリート造りで,水槽内部は鋼製である。貯水量は給水人口3万人分12万立方尺に対して2時間35分である。水槽には口径14吋の引入と引出管,口径12吋の余水流出管が付けられる。

 水槽には上部周囲に幅2尺5寸の,下部には幅3尺3寸の廻廊が作られ,それぞれ鉄製のハシゴによって連結される。また,このハシゴで水槽の頂部の踊場に出られ,内部に入り,底にまで降りられる。屋根の頂部には槽内の空気の流通のため,換気塔と避雷針が作られる。


水槽の大きさ


低区配水塔付近図(市内北見町)


低区配水塔構造図(変更前)