昭和6年6月9日の水道庶務委員会で,7月15日に竣功式と決めた。そこで関係者はそれぞれの役割分担を明確にし,諸準備に入った。なお,これには式典と祝宴があり,市当局者だけの人員では不十分であったことから,水道工事関係者によって水道竣功式協賛会(会長前島平・副会長椿松太郎・理事弓削徳次)が結成され,全体にその援助があった。「係員事務分掌心得」には,第1に3項よりなる注意事項がある。相互連絡の確保,7月5日までに各係の役割細目の決定などが指示されている。
水道竣功式係員事務分掌心得
第1 注意事項
1 各係ノ分掌事項ハ相互関連スル所多キニ付各係長ハ7月1日以降隔日ニ午後3時ヨリ臨時水道事務所ニ集合シ連絡ヲ計ルコト尚各係ハ特ニ係員トノ連絡ヲ計リ遺漏ナキヲ期スルコト
2 本分掌事項ハ大要ヲ掲ケタルニ過キサルニ付各係長ハ遅クモ7月5日迄ニ其ノ係ノ「分掌細目」ヲ定メ係員ノ打合ヲ了スルコト 此ノ場合ハ其ノ「分掌細目」ヲ添付シ概要ヲ総務係長ヘ通報スルコト
3 各係長ハ7月14日午後2時迄ニ式場ニ参会シ各打合ヲ為シ挙式ニ関スル一切ノ打合ヲ了スルコト
4 各係員ハ7月15日午前7時迄ニ式場ニ参会シ係長ノ指揮ニ従ヒ各部署ニ就キ万遺憾ナキヲ期スルコト
係としては,総務係,設備係,用度係,式場係,接待係(説明係,案内係)宴会係の6係が作られ,表のような仕事があった。
案内状は約1,000通が,つぎのように昭和5年以来の水道布設工事が完了したこと。竣功式を水戸市外渡里村大字渡里の浄水場で,7月15日(金)午前11時に行うことなどの内容で,7月5日付で発送された。
会場は,浄水場と集水埋管布設の水源地の中間にある堤を中心に2,500坪の土地に,大テントを2つ設けた。1つは祭壇を作って式典用,他の1つは宴会場用にと準備された。それらの周囲には紅白の幕が張り巡らされ,朝に降った小雨で清められた那珂川護岸の縁に映り,水戸の将来をみせているような美しい景観であったという。
来賓は,水戸市が用意した水戸駅前の乗用自動車3台と水浜電車袴塚停車場の乗合自動車(バス)5台によって,会場に700余人が案内された。式場の案内所では,全員に「水道概要」などの印刷物と記念品(市よりの水差,協賛会よりのカフス釦)が配布された。
式典は,午前11時に参列者の着席を待って,式順のように進行した。内務大臣の祝辞は県土木課長が,阿部県知事の告辞は県内務部長がそれぞれ代読した。なお,大蔵大臣の祝辞はなかった。
祝辞は,関東市長会長の桐生市長,都市研究会長の山本達雄,水戸商工会議所会頭の前島平,水戸市会議長の島村次男,渡里村長の安藤清などからもあった。
式順
1 参列員着席 振鈴
1 斎主以下着床
1 挙式挨拶 水戸市収入役 山口新
1 修祓
1 降神 一同起立磐折
1 献饌
1 斎主祝詞奏上 一同起立磐折
1 玉串奏奠
1 昇神 一同起立磐折
1 式辞 水戸市長 鈴木文次郎
1 工事報告 技師長 岡田卯之助
1 祝辞 内務大臣 男爵 山本達雄
1 告辞 大蔵大臣 高橋是清
1 告辞 県知事 阿部嘉七
1 祝辞 来賓
1 閉式挨拶 水戸市長 鈴木文次郎
式辞
本日佳辰ヲトシ玆ニ水戸市上水道竣功式ヲ挙行スルニ当リ多数来賓各位ノ御臨席ヲ辱フシタルハ最モ光栄トスル所ニシテ感激措ク能ハサルモノアリ我水戸市ノ発展ヲ図ルノ途素ヨリ一ニシテ足ラスト雖市民ノ生活ニ日夕密接ノ関係ヲ有スル上水道布設ハ最緊急トスル施設ナリト確信ス而シテ本市ニハ市ノ一部ニ旧水道アルモ給水十分ナラス又他ノ部面ニアリテハ土地高燥ナル関係上地下水年々減少シ日常生活ニ不便ヲ感スルノミナラス往年数次ノ火災ニ於ケル甚大ナル損害ハ吾人ノ苦キ経験トシテ今尚記憶ニ新ナルモノアリ之ヲ以テ全市上水道布設ハ久シク市民ノ熱望シテ止マサル所ナリシニ市財政ノ関係上容易ニ実現スル能ハサリシハ甚タ遺憾トスル所ナリシカ機漸ク熟シテ昭和3年遂ニ市会ノ議決スル所トナリ次テ5年11月起工スルコトヲ得タリ時恰モ物価労銀共ニ低落シ諸事順調ニ進捗シ頗ル好成績ヲ収メテ無事完成ヲ見タルハ誠ニ欣幸トスル所ナリ不肖市当局トシテ此ノ大事業ニ当リ夙夜重責ヲ痛感スル所ナリシニ幸ニシテ今日ノ喜ニ会ヒ感激深キモノアリ之レ全ク県当局ノ懇篤ナル監督指導ト市会議員諸君初メ親愛ナル市民諸君ノ熱誠ナル協力援助ノ賜ニ外ナラサルヲ思ヒ衷心感謝ノ意ヲ表スル所ナリ
今玆ニ本市空前ノ大事業タル上水道竣功式ヲ挙行スルニ当リ今後市民ノ亨クル福利蓋シ大ナルヘキヲ思ヒ将来コノ水道経営宜シキヲ得ハ本事業ノ目的達成シ我水戸市ノ発展期シテ俟ツヘキモノアルヲ確信スルモノナリ聊カ所感ヲ述ヘテ式辞トナス
昭和7年7月15日 水戸市長 鈴木文次郎
工事報告
水戸市全水道は大正13年末本市の嘱託を受け調査に着手し昭和3年6月25日総工事費金250万円を以て市会の議決を経主務官庁に認可申請を提出せるが其の間物価並に労力費の低落を来したるを以て更に精査の上昭和4年11月7日総工事費を金215万円に変更し工事一部更正の申請を為したり昭和5年7月29日は水道布設並に起債の件許可せられたるを以て同年11月7日水源中洲に於て起工式を挙行し即時着工準備に着手せり
水源工事は冬季渇水時に施行するを有利と思料し急拠請負に付し同年12月下旬工事に着手し次で浄水場掘鑿其の他所工事を起工し引継各所工事を開始せり而して工事は最も監督を厳にし請負施行を主としたるも浄水場は喞筒場上家及事務所を除くの外直営を以て施行し之に使役したる人夫其の他は本市職業紹介所より供給を受け同所の援助に依り好成績を以て終始するを得たり各所工事の請負人亦誠意を以て施行に当り何れも優秀なる工事を完了せり
工事中一部工法を変更せると諸物価及労力賃低落の結果昭和7年2月5日総工事費を金169万9,000円に更正市会の可決を経たり当初通水予定期は昭和7年6月末日なりしも各所主体工事を一斎に着手したると天候に恵まれ各所員精励協和の結果同年4月中旬上市高区の通水を見同月下旬下市低区の通水を了し今日玆に竣功式を挙行するの運と為れり
抑々本全市水道工事は高区5万人低区3万人の計画にして1人1日最大使用水量は4立方尺なるも諸設備は1人1日6立方尺迄給水し得るものとせり
集水埋管は中洲地下約13尺に河身と平行し延長150間に布設し管の四囲は濾過層を構成せるものにして着工以来出水の大なるものなく僅々5ケ月にして完了するを得たり導水鉄管は22吋鋳鉄管に厚さ1尺の混凝土を巻きたるものにして接合井より低揚喞筒吸水井迄延長113間余掘鑿は上半部を開鑿とし下半部は「シートパイル」山囲とし細砂流出困難を極めたるも予定通り完了を見たり喞筒場は総建坪141坪余の平家鉄筋混凝土造にして請負施行とし内部は低揚喞筒3台及高区高揚喞筒3台及低区高揚喞筒2台を設置し其の他電気設備を為し低揚及高揚喞筒直下には吸水井を設け直営を以て施行せり
濾過池は鉄筋混凝土造内法100尺幅83尺3池にして濾過速度の最大を1昼夜に付20尺とし防水及温度の伸縮に対し入念施行し且濾過砂は高萩産を使用せり
調整池は内法57尺5寸の正方形鉄筋混凝土造にして3時間余の貯水量を有す
高区配水塔は直径34尺にして鋼鉄製造とし地上より満水面迄の高さは122尺にして高区5万人に対し3時間10分の貯水量を有す本工事は基礎及上部構造共請負施行になりたるものにして塔外部には「アルミニユームペイント」を塗付せり低区配水塔は直径27尺にして低区3万人に対し2時間半の貯水量を有し水槽は鋼鉄製にして水槽台円塔及覆蓋は鉄骨鉄筋混凝土造とし之亦請負に依り施行したり
送水及配水鉄管布設は小区域に区画して請負に付し鉄管並接合材料は本市より之を支給し而して鉄管の接合は本市直傭の職工を使役し以て工事の完全を期したり
如斯工事は予期以上の進捗と好成績を以て竣功を見たるは監督官庁の御指導と理事者並水道委員の御援助は勿論且又市民後援の関係吏員の努力の結果にして本日の盛典に際し玆ニ工事の経過並概要を報告するに当り深甚の謝意を表する次第なり
右報告す
昭和7年7月15日 水戸市臨時水道技師長 岡田卯之助
祝辞
水戸市水道工成ルヲ告ケ玆ニ本日ヲ以テ落成式ヲ挙ケラル寔ニ慶賀ニ堪エサルナリ惟フニ本工事ノ為ニ市民諸君ノ負担スル所軽カラサルモノアルヘシト雖今後之ニ依リ豊富ナル良水ノ供給ヲ得衛生上ハ勿論保安産業等ニ及ス効果少カラサルモノアルヘク市勢発展ニ資スル所大ナルモノアルヘシ冀クハ将来之カ維持管理ニ努メ以テ長ニ其ノ効果ヲ収メラレムコトヲ一言ヲ述ヘテ祝辞トス
昭和7年7月15日 内務大臣 男爵 山本達雄
告辞
水戸市水道ノ濫腸ハ既ニ古ク義公ノ草創以来星霜幾年其ノ機構未タ全カラスト雖今尚下市ノ一廓ニ之カ余沢ヲ留ム今ヤ水道ノ布設ハ近代都市ノ一要件ニシテ輓近市勢頓ニ進展シ戸口ノ増殖ハ彊域ノ膨脹ヲ見ルニ及ヒ5万市民ノ保安衛生上浄水ノ要望愈切ナルニ至レリ市ハ玆ニ見ル所アリ曩ニ水道布設ノ計ヲ樹テ補助ヲ政府及県ニ求メ170万円ノ巨費ヲ投シ精緻ナル企画ノ下ニ経営1年8ケ月方ニ主要工事ヲ了ヘテ通水ノ機運ニ会ス洵ニ慶祝ニ堪ヘサル所ナリ其ノ施設ノ状況ヲ見ルニ規模殆ト完備ノ域ニ近ク給水能力ハ他日ノ発展ニ対シ遺憾ナシ即チ爾今那珂ノ河水ハ普ク地底ニ導カレ全市清泉ノ恵沢肆ナリ之ニ因リテ悪疫ノ源ヲ絶チ祝融ノ厄ヲ防キ民衆ノ安寧幸福ニ寄与スル所蓋シ鮮少ナラサルヲ信ス
冀クハ市当局公衆ノ福祉ヲ以テ経営ノ基調トナシ市民マタ克ク利用厚生ノ実ヲ収メ協力以テ本市無限ノ繁栄ヲ期セラレムコトヲ玆ニ大業成リテ落成ノ式典ヲ挙ケラルルニ当リ聊カ所感ヲ述ヘテ告辞トス
昭和7年7月15日 茨城県知事 阿部嘉七
祝辞
水戸市水道工事成リ本日ヲトシ竣工ノ式ヲ挙ケラル洵ニ慶賀ニ堪ヘサルナリ
抑モ本市ハ徳川幕府300年ノ永キ常ニ名君ヲ出シ文化ノ発祥地トシテ天下ニ魁シ史実ニ富ミ又名勝ノ府トシテ夙ニ其ノ名高シ就中本市ニ於テハ今ヨリ100有余年前已ニ水道ノ施設アリタルヲ聞ク洵ニ其ノ卓見偉業敬仰ニ堪ヘス
然ルニ今ヤ各般ノ整備ト相俟テ玆ニ完備セル水道ノ完成ヲ見タルハ独リ市民各位ノ保健衛生上ノ効果少カラサルノミナラス保安上将又本市産業上ニ稗益スル所蓋シ甚大ナルモノアリト信スルト共ニ短期間ニ克ク此ノ大事業ヲ完成セラレタル当事者ノ各位ノ御手腕ニ対シ深ク敬意ヲ表セサルヲ得ス
希クハ此ノ後是レカ利用ノ実ヲ挙ケ以テ益々本市ノ発展ニ資セラレムコトヲ望ム玆ニ本日ノ盛典ニ臨ミ関東市長会ヲ代表シ謹ミテ祝辞ヲ呈ス
昭和7年7月15日 関東市長会長 桐生市長 関口義慶二
祝辞
本日玆ニ水戸市上水道落成ノ式典ニ際シ聊カ所懐ヲ述フルヲ得ルハ余ノ欣幸トスル所ナリ
惟フニ都市ノ隆替カ保健衛生ノ施設ニ因ル所極メテ大ナルモノアルハ言ヲ俟タサル所ナリ本市ハ夙ニ意ヲ此ニ致シ曩ニ明治42年ニ於テ市ノ一部ニ上水道ヲ敷設セシカ更ニ之ヲ全市ニ及ホスノ計ヲ樹テ昭和5年7月ヲ以テ其ノ工ヲ起シ本日玆ニ落成ノ式典ヲ挙ケラルルニ至リタルハ洵ニ慶賀ニ堪ヘサル所ナリ冀クハ今後一層協心戮力以テ本市施設ノ改善ニ尽シ都市ノ完成ニ邁進セラレムコトヲ一言ヲ述ヘテ祝辞トス
昭和7年7月15日 都市研究会長 男爵 山本達雄
祝辞
水戸市水道工ヲ竣リ本日ノ佳辰ヲトシ玆ニ竣工式ヲ挙行セラル誠ニ欣快ノ至リニ堪ヘス 惟フニ我水戸市ハ上下市ヨリ成リ人口5萬余ヲ有シ県庁ノ所在地トシテ地方ニ於ケル一大都市ニ属ス而シテ其ノ下市ニハ舊藩時ニ於テ敷設セラレタル簡易水道アリ之ヲ改修シ現ニ使用シツツアルモ上市ハ土地高燥ニシテ水利ノ便ナク偶々旱天ニ際会セムカ忽チ飲料水ノ缼乏ヲ来スノミナラス防火用水ノ如キハ得ルニ道ナク為メニ屢々祝融ヲシテ暴威ヲ振ハシメ其ノ災害ヲ頗ル大ナラシメタルコトアリ玆ニ於テ水道敷設ノ必要ヲ痛感シ歴代ノ市長ニヨリ計画セラレタル所アリタルモ現任鈴木市長ニヨリ実現スルニ至リタルハ慶賀ニ堪ヘス而シテ其ノ工事費ノ如キ実ニ200萬円ノ予算ヲ以テシ水源ヲ那珂川ノ清流ニ取リ昭和5年11月7日諸般ノ設備成リテ起工式ヲ挙ケ爾来幾多ノ難問題ニ遭遇セル所アリタルモ何等支障ヲ来サス起工以来僅カニ1ケ年半余ニシテ豫期以上ノ好成績ヲ以テ完成シ本盛夏ノ候早クモ既ニ給水ヲ開始シ到ル処清水ノ噴出スルヲ見ルニ至リタルハ吾人ノ尤モ感喜措ク能ハサル所ナリ今ヤ本水道ノ完成ニヨリ市民ハ防火上ハ勿論所謂文化ノ恵沢ニ浴スルト共ニ将来市発展ニ資スル所頗ル大ナルモノアラム玆ニ謹ミテ当局並関係ノ各位ニ対シ満腔ノ誠意ヲ以テ感謝ノ意ヲ表スルモノナリ聊カ所感ヲ述ヘ以テ祝辞トス
昭和7年7月15日 水戸商工会議所会頭 前島平
祝辞
水戸市水道工事完了ヲ告ケ本日玆ニ竣工ノ式典ヲ挙行セラルルニ際シ其ノ席末ニ列シ一言祝意ヲ表スルコトヲ得ルハ最モ光栄トスル所ナリ
思フニ上水道ハ都市発展ノ一大要素ニシテ衛生ニ火防ニ其ノ他産業ノ発達ニ至大ナル関係ヲ有スルヤ言ヲ俟タス之ヲ以テ我水戸市ハ上水道布設ヲ翹望スルコト既ニ年アリ然レトモ当市ハ年年緊急ヲ要スル施設其ノ数ヲ加ヘツツアルノ状態ニシテカカル大事業ハ容易ニ実施スルニ至ラサリシハ頗ル遺憾トスル所ナリシカ其ノ後機漸ク熟シ市当局ノ計画宜シキヲ得タルト市民諸君ノ絶大ナル後援トニ依リ遂ニ断行スルコトヲ得タリ而シテ起工以来工事極メテ順調ニ進ミ予期以上ノ好成績ヲ収メテ無事完成ヲ見タルハ最モ慶賀ニ堪ヘサル所ナリコレ偏ニ関係当局ノ懇切ナル監督指導ト技術者諸君ノ秀越セル技倆ト熱誠ナル尽力ノ賜ニ外ナラスト信シ深ク感謝スル所ナリ不肖市会議長在職中コノ大事業ニ遭ヒ窃カニ責務ノ甚タ重キヲ憂慮セルモ幸ニシテ各委員諸君ノ協力援助ニ依リ今日ノ喜ヒヲ迎ヘ感激切ナルモノアリ聊カ所懐ヲ述ヘテ祝辞トス
昭和7年7月15日 水戸市会議長 島村次男
祝辞
水戸水道竣工祝賀式ヲ挙行セラルルニ当リ小職マタソノ末席ニ連ナルヲ得タルハ無上ノ光栄トスル所ナリ
惟フニ全市水道敷設ノコトハ久シク当局ノ懸案ニシテ且又市民ノ与論ナリト聞ク而シテ巨万ノ財ヲ投シ数百ノ日ヲ費シ今日此ノ盛儀ヲ見ルニ到ル蓋シ当局ノ計画市民ノ希望共ニ達セラレタルモノト云フヘシ
玆ニ顧ミテ当局ノ経営ノ辛労ヲ拝察スルト共ニ将来一般市民カ衛生消防経済ノ各班ニ亘リソノ幸ヲ享クルハ誠ニ慶賀ニ堪エサルナリ加フルニ水道工事ノ重要設備ニ関シ貴市ニ対シテ当村カ幾何カノ寄与ヲ為シ得タリトセハ益々隣交ヲ厚ウスル一助トモナルモノト思料シテヒソカニ喜トナスモノナリ大水戸建設ノ一過程終了トモ見ルヘキ水道竣功ノ祝賀式ニ当リ聊カ蕪辞ヲ述ヘテ祝意ヲ表ス
昭和7年7月15日 渡里村長 安藤清
この日,水道布設工事に関して,特に業績のあった人たちに,表彰状と記念品が贈呈された。それはつぎのように4段階に分けられていた。
表彰状
1 品名 殿
本市水道布設工事ニ関シ特ニ功労顕著ナリ仍テ頭書ノ通贈呈シ之ヲ表彰ス
昭和7年7月15日 水戸市長 鈴木文次郎
金杯の部には,5つの会社があり,つぎのように水道事業に対する協力をしている。
銀杯の贈与は3組重ねのものと1個のものがあり,前者にはつぎの16名が該当した。
1個を贈与された者は,つぎの16名である。
なお,高区や低区の配水塔構内や浄水場構内の植樹工事を請負った西村豊吉には,表彰状が与えられた。
表彰はされなかったが,市内居住で工事の請負人となったのは高橋寒次郎,長須八三郎,軍司武夫,石川一二などであった。
午後は,協賛会主催で祝宴が始まった。前島会長の開会の辞につづいて,鈴木市長が列席者を代表して感謝の意を表明し,宴に入った。
これらの式典と同時に,市役所の前では,一般市民のために大神楽などの催物があって,水道竣功を祝っている。